ドンペリロゼ

ドンペリニヨンことドンペリを造るにあたって、マニフェストがあるのをご存知でしょうか!?

現在のドンペリ公式ページには掲載がなくなってしまったのですが、以前ドンペリ公式ページには、ドンペリことドンぺリニヨンブランドのマニフェストが掲載されていました。ドンペリの伝統やドンペリらしさを貫くための10項目のマニフェスト。

そのマニフェストを見ると、生産者の情熱が感じられ、多大な労力と尽力をかけドンペリが造られていることを実感するはず。私自身このマニフェストを知ったことで、ドンペリというシャンパンの先にいる生産者を意識することができ、感動と感謝の気持ちが湧いてもっとドンペリが好きになったのを覚えています。

今回は、そんなドンペリとマニフェスト、まとめておこうと思います。

Info

※下記「マニフェスト」は、2016年3月に公式ページに掲載されていたものを引用しています。専門用語が多かったため、分かりやすいようメモを付けています。

※ドンペリは、2019年1月に28年に渡ってドンペリニヨンを率いてきた醸造責任者のリシャール・ジェフロワ氏に代わって、新しくヴァンサン・シャプロン氏が就任。マニフェストの変更などのお知らせを見つけた際には修正、追記、削除等する予定です。

ドンペリの未来を繋ぐ、10のマニフェストとは!?

1.ドンペリニヨンのヴィンテージに対するこだわり

ドンペリロゼのミュズレ

我々の、ヴィンテージに対する誓いは絶対的なものである。ドンペリニヨンはリスクを背負いながらもヴィンテージごとに新しい価値を生み出している。もし優れたワインができない場合は、そのヴィンテージを発表しないという代償が伴う。

MEMO

ヴィンテージとは、年号(収穫年)のこと。ドンペリのラべルを見ると分かりますが、必ず年号の記載があります。年号の記載があるということは、ヴィンテージシャンパンであることを意味していて、その年のブドウのみを使って造られているということ。

様々な年のブドウから造られたワインをブレンドして造られるノンヴィンテージシャンパンよりも、品質の安定を図るのに大きな尽力を要します。

2.ドンペリニヨンは必ずアサンブラージュを行う

カーヴ

アサンブラージュは、ドンペリニヨンのスタイルの基本となる作業。この作業は、ドンペリニヨンにおける醸造家庭で最も重要な工程である。ドンペリニヨンは理想の姿を追い求め、各ヴィンテージには白のアサンブラージュ、ロゼのアサンブラージュが1種ずつしか存在しない。

MEMO

アサンブラージュとは、ブレンドするということ。シャンパン造りにおいては様々な収穫年、畑、品種のブドウで造られたワインをブレンドするというのが一般的。

ただし、ドンペリは、単一の収穫年のブドウのみを使用して造られています。

3.我々は、白ブドウと黒ブドウのバランスが完璧に取れたドンぺリニヨンのアサンブラージュを行う

泡

シャルドネとピノ・ノワール。この2種の葡萄は互いに補い合い、相反する特徴を活かし、バランスの取れた完全なる状態へと導く。こうしてドンペリニヨンならではの二面性を生み出す

MEMO

これは、2.のブレンドにおけることですね!使われているブドウ品種、その2種によって、ドンペリらしさを出すということを意味しています。

4.我々は、シャンパーニュ地方で最高品質の葡萄を使用する

ぶどう畑

それがどこにあろうとも。中心となるのは由緒ある8つのグランクリュ(アイ、ブージィ、ヴェルズネ、マイィ、シュイィ、クラマン、アヴィーズ、ル・メニル)と、伝説に残るオーヴィレールのプルミエクリュ。また、その他17のグランクリュからも葡萄を使用する権限を保有している。

MEMO

グランクリュとは、『特級畑』という意味で、その特級畑から収穫される最高品質のブドウをドンペリの生産に使用するということ。

5.我々は、テロワールと季節を尊重する

ぶどう畑

我々の使命は、テロワールとヴィンテージの個性に背くことなく、それをさらに高めるものである。葡萄本来の新鮮さを守る必要があり、醸造の哲学は最小限にとどめる。酸化は大敵であり、防がなければならない。

MEMO

ワイン全般において、テロワール(畑)の個性がブドウに表現されると言われています。また、ブドウの出来具合は、その年(ヴィンテージ)の季節や天候にも左右されます。その個性を大事にすることも、ドンペリ造りのマニフェストに含まれています。

6.「凝縮感」とは、精密ゆえのものでなければならない

泡

ワインにおける「凝縮感」とは、力強さによるものではなく、精密さによるものである。乱雑なインパクトではなく、適度な感触を与える良質なワインでなければならない。

MEMO

「凝縮感」というと、とても難しい感じがしますが、上記にもあるように力強さというところに注目すると、なんとなく一般消費者さんでも分かりやすいのではないでしょうか。乱雑な力強さから「凝縮感」を出すのではなく、ドンペリは精密さから「凝縮感」出すことにこだわっているということ。

7.ワインの与える口当たりこそがドンペリニヨンの本質である

グラスに入ったドンペリロゼ

ワインの口当たりはなべらかで継ぎ目がなく、熟したての軽やかで豊かな味わい、滑らかで口の中を撫でるようなテクスチャーを有する。比類ない方法で、官能的な味わいを保つ。

MEMO

これは、タイトル通り。ワインの口当たりを重視することが記載されています。

8.ドンペリニヨンの複雑さは、ゆっくりとした熟成から生まれる

ドンペリ

ドンペリニヨンは、白とロゼどちらも、その複雑さと長期熟成の可能性を持つことで知られる。ドンペリニヨンはセラーで8年間の熟成を経た後、最初の熟成のピークに達する。ドンペリニヨンエノテークは、数十年という時を超えるものである。

MEMO

ドンペリは、ランクから言えば最高級ランクの、プレスティージュシャンパン。そして、3つの時代を通るとされていて、長期熟成に耐え進化すると言われています。>>3つの時代を通るシャンパン、ドンペリ!3つの時代を通るとは!?

9.ドンペリニヨンのミネラル感は、その独特の香りの特徴と言える

泡

神秘を内包した重厚感のある特徴は、ヨード、トースト感、スモーク、ビート(泥炭)など、海の特徴であると同時に大地の特徴でもある。

MEMO

ドンペリを口に含んで感じ取れるテイストについて。その1つにミネラル感というのがあります。そして、ヨード、トースト感、スモーク、ビート(泥炭)というのは香りの表現です。

10.ドンペリニヨンのスタイルは極めて特徴的である

ドンペリルミナス

華麗なパラドックスは、ドンペリニヨンに繰り返し見られる特徴である。ドンペリニヨンのスタイルを形容する言葉、それは緊張感、リズム、鮮やかさ、正確さ、触覚、なめらかさ、新鮮さと熟成感、力強さ、複雑さ、そして官能性。

MEMO

パラドックスとは、調べると、「矛盾」と同義語とあります。3.のマニフェストでもドンペリらしさとして二面性という言葉がありますね。そんな相反する2つの顔を持つというのがドンペリの特徴でもあるという捉え方ができます。

 

以上が、ドンペリ、10のマニフェストでした。

この10のマニフェストに沿って造られているのがドンペリ。最初にこのマニフェストを見た際は、なんだか良い意味でゾッとしましたね。このマニフェストでよりドンペリを理解出来るのではないでしょうか。

それでは、また!

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