ドンペリことドンペリニヨンは、発泡性ということもあり、お酒が苦手な方にとっても飲みやすいワイン。
でも、飲みやすいからこそ、「気づいたら一気に飲んでしまった!」 、「大したことなくてガッカリ」、「ドンペリ、美味しくなかった」そんな話しを良く聞きます。
でも、これは、ドンペリの魅力を引き出せていないということ。ドンペリは、高級シャンパンであるが故に、気難しさがあります。ドンペリの魅力や美味しさを理解するには、ドンペリの飲み方がとても重要。
ということで、ドンペリの魅力を感じるためにも、ドンペリの飲み方や注意点をまとめておこうと思います。
初めてのドンペリ、飲む前の注意書き3つ!で伝えた通り、ドンペリを飲む前に注意として知っておきたいのは次の3つ。
これらに気を付けないと、美味しさや魅力が感じられない可能性が大きくなります。
初めてのドンペリ、3つの注意書き!
- ドンペリ1本を大勢で飲まない!
- ドンペリを開栓してすぐ飲まない!
- ドンペリをグビグビ飲まない!時間をかけて飲むべし!
詳しくは、初めてのドンペリ、飲む前の注意書き3つ!にまとめていますが、ドンペリは目先の美味しさが分かりにくい高級シャンパン。つまり、簡単に美味しいと思えない、価格相応の美味しさを簡単に感じられない可能性大ということ。
ドンペリの魅力を感じるためには、とにかくドンペリとの時間が必要。
そういう意味でも、大勢で飲まないこと、抜栓してすぐに飲まないことなど、早飲みしないよう気を付ける必要があります。詳しくは別記事でまとめています。
ドンペリの美味しさや魅力とは!?
先ほど、ドンペリは目先の美味しさは分かりにくい、簡単に美味しいと思えないということをお伝えしました。
では、ドンペリの魅力や美味しさとは何なのか。どうやって美味しいと感じ、価値を感じられるのか。他のシャンパンと何が違うのか。いろいろな疑問が湧くと思います。
これまでドンペリを含めて色々なシャンパンを飲んできましたが、一般消費者である私たちがドンペリを美味しいと感じ、魅力を見出すポイントはズバリ次の3つ。
- ドンペリの変化
- ドンペリの香り
- 跡(あと)を残す
上記3つ(変化、香、跡を残す)については、他のシャンパンと比較しても、圧倒的な個性と違いを感じることが出来ます。
つまり、この3つのポイントから、ドンペリの美味しさや魅力を感じることができるということ。
fa-caret-rightまずは、ドンペリの変化(ギャップ)。ドンペリは抜栓して時間をかけて飲むことで、温度変化による味わいや香りの変化が楽しめます。
だからこそ時間をかけて飲む必要があるということ。時間をかけて飲んでいる内に「変わった!」と、変化を楽しむことが出来ます。
そして、味わいや香りの変化に伴って、飲み手の感情も変化します。温度変化によって、まろかやさが増し香りも開くと、飲み手の感情も開放的になり楽しくなります。
このドンペリの変化は、他のシャンパンと比較しても変化が明確で感動できるはず。
fa-caret-right次はドンペリの香り。これは私が感動したポイント。
冷蔵庫で冷やしたドンペリを飲む場合、抜栓した直後は、冷えすぎていて香りが開いていない状態。感覚的に言うと、重厚な門が閉まっている状態。厳かで人を寄せ付けない、緊張感漂う感覚があります。
それが、ドンペリをテーブルに出し、時間をかけて飲むうちに温度が徐々に上がり、途中から一気に香りが開きます。華やかさを感じて感動したポイントですね。飲み始めの頃とは別世界。
ただ、この華やかさも長くは続きません。その後も香りは変化し続けるのですが・・。飲み終わりの頃には、しっかりと門が閉じる感覚があります。
「一体、何だったんだ!?」と一瞬分からなくなる曖昧さを残して終わります。
fa-caret-rightこれが、最後の跡(あと)を残す。
ドンペリは、様々な感情を飲み手の中に残すということなんです。緊張感で閉ざされた感覚から、華やかさで感動や楽しさを感じ、最後は静かに宴(うたげ)が終わるというミステリアスで正体が掴み切れない感覚。
この記憶(跡)はずっと残って、何年たっても不思議と消えません。ドンペリの正体が掴めず、悔しさがずっと残る感覚も。
心地良い感情とは言えないかもしれませんが、こんな風に跡を残してくれるシャンパンは滅多に出会えません。
これらの魅力や美味しさは、ワイン通やワインプロでなく、一般消費者としてでも感じられること。
ただ、この魅力を感じるには、次に説明する”飲み方”が重要になってきます。
ドンペリ、美味しさや魅力を感じるためのオススメの飲み方!
1.冷やしたドンペリを抜栓。すぐに飲まない!
初めてのドンペリ、飲む前の注意書き3つ!にも記載していますが、ドンペリの抜栓直後は、ドンペリにとって寝起きの状態。なので、抜栓直後はすぐグラスに注ぐのではなく、最低でも5分程度はそのままにしておきましょう。
ドンペリの白(スタンダード)でさえ8年間の熟成という長期間の眠りについています。抜栓という形で突如起こすため、抜栓直後はまず落ち着かせて、ドンペリをしっかり起こしてあげましょう。
2.1杯目、低温のドンペリを飲んでみる!
まず、冷蔵庫やワインクーラーで冷えた、低温のドンペリを飲んでみましょう!
ドンペリを含むシャンパンの飲み頃温度は6℃~12℃と言われていて幅広く、シャンパンによってはもっと低温をオススメするものもあります。
ドンペリを冷蔵庫保管(3~4時間以上の保管が目安)していた場合、冷蔵庫から出した直後は大体6℃~8℃程度なはず。
抜栓して、5分程度落ち着かせるために少々置いたとしても、状況にもよりますが10℃未満。その状態のドンペリをまず1口飲んでみる。この1口目がベースとなり、ドンペリの変化を感じ取ることができます。
その後は、時間をかけてゆっくり1杯目を楽しみます。時間と共に徐々に温度が上がり、冷蔵庫から出してそのまま20分程度経過すると10℃以上に温度が上昇していきます。→ご家庭や時期、状況によって、差は出てきます。
3.2杯目~、温度が上がったドンペリで、変化と香りを楽しむ!
ゆっくり1杯目を飲んで、2杯目になると、そろそろドンペリもしっかり起きて本領発揮できる頃。抜栓直後で冷えた状態(10℃弱まで)だと、香りも広がらず、厳かで堅い印象なはず。
そんなドンペリも温度が上昇すると、香りが一気に開きます。この香りが感じられるのが、私自身の経験上12℃~15℃程度。
香りは、ヴィンテージ(年号)によって異なりますが、お花や柑橘系のフルーツや、パンを焼いたような香ばしさなど、どんどんと変化し複合的な良い香りにとにかく感動します。
そして、香りと共に、味わいにもまろやかさやコクが感じられるようになり、変化が感じられます。
もし、香りも味わいにも変化がないと感じる場合は、飲むのが早かったり、温度が低すぎる可能性があるので、飲むペースをゆっくりにしましょう。これまでのドンペリの経験上、抜栓してから1時間程度経った頃にようやく変化を感じたこともあります。
このままゆっくり飲み続けて終わるのも良し。ただ、フルボトル1本空けるのは大変な場合は、無理せず途中保存して次の日に楽しむのもありです。次の日の方が美味しい可能性、アリです。
4.3杯目~、途中保存し、次の日に飲んでみる!
これは、2人でドンペリのフルボトル1本を飲んでいることを考えての提案ですが、3杯目あたりから、途中保存して、次の日に楽しむのもオススメ!
2人でドンペリ1本を空けようとすると1人3杯半程度。その最後の約1杯を次の日に残しておくということです。
実は、次の日のドンペリ、「前の日より美味しい!」と感じた経験が何度もあるのです。
特に、ドンペリロゼは顕著にそう感じましたね。長期熟成の間、眠っていたドンペリがようやく覚醒したという感覚でしょうか。なので、次の日のドンぺリ、余裕があれば是非お試しを!
ただ、ドンペリは発泡性ワインのため、途中保存するには、上記のような専用のストッパー(シャンパンストッパー)が必要になります。
そのストッパーがない場合は、ガスが抜けてしまうため、途中保存はせずに飲んでしまいましょう!なお、ドンペリの瓶口に合うストッパーについては、下記に詳しくまとめているので参考にしてみてください。
ドンペリ、どのグラスで飲めば良いの!?
シャンパングラスには色々と種類がありますよね。細長いフルート型、ふんわりとしたチューリップ型などが人気です。>>シャンパンのグラス種類、まとめ!(オーナーブログ)
では、ドンペリの場合はどのグラスを使えば、美味しいと感じやすいのでしょうか!?
実は、私自身ドンペリを飲む際に様々なグラスを使って実際に実験しています。上記画像は、ドンペリロゼを飲んだ際に実験した時のもの。シャンパングラスに加え、普通のワイングラス(赤用)なども含めて試してみました。
fa-lightbulb-oその結果、一般消費者さんがドンペリを飲む際にオススメしたいのは、チューリップ型のシャンパングラスもしくは、赤ワイン用のグラス。
チューリップ型のシャンパングラスとは、チューリップの形をした下記のようなふんわりとしたシャンパングラスです。
こんな話をしていると、「え?シャンパングラスじゃなくて、赤ワイン用のグラスでも良いの!?」と、驚かれた方がいらっしゃるかもしれませんが、ドンペリは高級シャンパンで熟成期間がスタンダードでも8年以上というように長期間に及びます。
そういった熟成感を楽しむ高級シャンパンの場合は、抜栓してから本領発揮するまで(飲み頃になるまで)に時間がかかることが多く、複雑な香りも楽しめるため、シャンパングラスでいうとフルート型グラスよりも間口が広いタイプがオススメ。
そう考えると、シャンパングラスの中では空気に触れやすく、香りを楽しみやすいチューリップ型グラスがオススメ。チューリップ型グラスがなければ、普通の赤ワイングラスで代用も可能です。
ちなみに、究極に言ってしまえば、最もドンペリに合うのは、ドンペリが出すドンペリ専用のシャンパングラス。下記はドンペリ正規箱入りのグラスセット品。
こういった、正規のグラスセット品を買うのが最も手っ取り早く、ドンペリに合うグラスを入手できます。
ただ、このグラスセット品は正規箱に入ったものを選ぶのが大事。ショップ独自にグラスを選び、そのグラスとドンペリをセットにして販売していることもあるので注意しましょう。
>>ドンペリグラスセット品を見てみる(楽天市場)、(amazon)、(Yahoo!ショッピング)
ちなみに、ドンペリロゼの場合は、普通の赤ワイングラスよりももっと間口の広い、下記のようなブルゴーニュの赤ワインを楽しむようなかなり大きいグラスでも楽しめました。
これには私も驚きましたが、実際に試して、フルート型グラスよりも断然美味しいとリアルに感じたのです。
ということで、一般消費者さんがドンペリをより美味しく楽しむためにオススメのグラスは、シャンパングラスであれば間口が広いチューリップ型のグラス、もしくは赤ワイン用のグラスがオススメです。
以上が、『ドンペリの美味しさや魅力を感じるための、オススメの飲み方』でした。
大事なことは、じっくり時間をかけて飲むこと。時間をかけることで、ドンペリの美味しさや魅力を感じやすくなります。
万が一、「美味しくない」と感じてしまったとしても、何ヵ月、数年たって、「ドンペリ、もう一回飲んでみようかな!?」なんてふと思うことがあります。
そんな、思いが湧いてきたら、実はドンペリの魅力に気づいているということ。それはドンペリが、美味しさとは別の思いもよらぬ形でしっかり跡を残した証拠なのです。
ドンペリは決して安くない。せっかくのドンペリ、飲み方に注意して、楽しみましょう!