プレゼントや贈り物で頂いたドンペリ、「すぐに飲むのはもったいない!」という気持ちから飲むタイミングを失い、気づけば長い年月が経っていた・・。そして人生の節目や記念日に、いざドンペリを開けようと思い立ったけれど、果たして飲めるのか」という心配を抱えていませんか!?
実はこれよくある話なんですよね。高級シャンパンあるあるで、実際に飲むことを考えれば不安を抱くのは当然。実は、ドンペリの賞味期限事情は食べ物に比べるととてもシンプル。
でも賞味期限について分からないと不安が生じ、ドンペリを開けることに躊躇してしまうんですよね。そうなれば、「またの機会にしよう。」とドンペリを開けることを先延ばしにする方が多くいます。実はこれこそもったいない!
ということで、この記事では日本ソムリエ連盟認定ソムリエであり、ドンペリをリピート購入している筆者が「ドンペリの賞味期限」や「古いドンペリが飲めるのか」について分かりやすく紹介していきます。
この記事を読めば、これ以上ドンペリを劣化させず、無駄にドンペリを捨てることなく開けられますよ!
ドンペリの賞味期限、実はないって知ってた!?
先に結論から言うと、ドンペリは賞味期限がありません。というのも、食品の国際規格(CODEX)において、アルコール度数10%以上の未開封のアルコール類においては賞味期限の概念がありません。つまり、未開封の状態で腐ることがないということ。
なので、ドンペリのラベル(エチケット)やボトルに賞味期限の表示がない。そもそも表示する必要もないということなんです。
となると、「それなら、ドンペリ10年、15年、20年以上経ってる古いドンペリも飲めるよね!?」と、期待が膨らむのですが、この質問への私の答えとしては。「うーん。」というなんとも曖昧な回答になってしまうのです。それはなぜか、説明していきます。
未開封の古いドンペリ、実際飲める!?
ドンペリに賞味期限がない以上、未開封の古いドンペリは5年、10年、15年経っても飲める可能性は十分あります。実際に、結婚祝いに頂いたドンペリを常温で約25年保管し、開けたところ「飲めた」という私の知人の例があります。
ただ、あくまで「飲めた」です。その方から出た言葉は、「美味しく飲めた!」ではなく、「意外と飲めた!」でした。でも、シャンパンらしさは「0」だったそうです。なぜなら、泡がほとんどなく、まるで白ワインだったからです。
ドンペリ、賞味期限はないが劣化はする!
どういうことかというと、ドンペリは賞味期限はないけれど、劣化はします。そして、劣化の具合や進行速度は保管・保存環境が鍵を握るんですよね。なので、適切な保管環境に置かれていなかった場合は、劣化が早く進みます。
ちなみに、ドンペリの適切な保管環境については、別記事でまとめていますが、次の通り。
- 保管温度は、12~16℃で一定
- 横置き保管
- 直射日光や蛍光灯が当たらない場所
- 湿度が70%前後の場所
- 振動のない場所
- 強い匂いを持つものと一緒ではない場所で保管
この環境、日本の一般家庭で実現可能かを考えると、ほぼ不可能。四季のある日本においては保管温度を一定に保つことは出来ないのです。ではどうするか。
未開封の古いドンペリ、セラーがないなら早く開けるべし!
適切な保管環境を実現するにはセラーが必要。セラーがあるのならドンペリの長期保管を検討しても良いのですが、セラーがないのであれば早めに開けることをオススメします。
理由は、シンプル。明日よりも今日の方が美味しく飲める可能性が高いからです。
古いドンペリ、劣化しているとどうなる!?
劣化していると下記のような状態になっている可能性があります。
- 泡が減る(炭酸が弱い)
- 過熟成が起きている(妙に濃い)
- 不快な臭いがする
コルクは少なからず空気を通すため、時間経過と共に酸化が進み炭酸ガスが徐々に減っていきます。長期で保管すればするほど、泡は少なくなるはず。
シャンパンは発泡性ワイン。炭酸ガスがあるのも醍醐味の1つなんですが、長年保管したドンペリは泡が弱くなり、どちらかというと白ワイン寄りになってしまいます。
また、保管温度が高いと過度に熟成が進み、過熟成という現象が起きてきます。簡単にいうと、妙に濃い感じがするとでも言いましょうか。くどさやしつこさが前面に出てしまい、多くは飲み進められないといった可能性も生じてきます。
最後に、最大の劣化となるのが不快臭があること。何らかの原因で菌が増殖した可能性が考えられるのですが、不快臭がある場合は飲む気も起きないはずです。
ただ、不快臭が起きることは滅多にないです。筆者はシャンパン含む発泡性ワインを100本以上飲んできていますが、不快臭のあるものに出会ったのはシャンパン1本のみ。確率としてはかなり低いことが分かります。
劣化しているドンペリでも飲める!?
不快臭がなければ、劣化したドンペリでも飲めます。実際に約25年ドンペリを常温保管していた知人が飲めたという例があります。ただ、発泡性ワインというよりほぼ白ワインだったそう。
ドンペリは高級シャンパンで、ブドウの作柄が良い年にしか造られないヴィンテージシャンパン。よって、使われているブドウやそのブドウから造られるワインは質が高いため、泡がなくても楽しめる可能性が高いのです。
逆に、高級シャンパンを長期で保管した結果、どうなっているのか。実験感覚で楽しむのも有意義だと思います。ちなみに、不快臭がある場合は飲む気が失せて飲めません。
筆者も1度、劣化したシャンパンに当たっていますが、飲もうと思っても不快さから飲めませんでした。
ドンペリの飲み頃っていつ!?
ドンペリを含むシャンパンの飲み頃(賞味期限)は、熟成期間が目安と考えておきましょう!ただし、これも適切に保存されていた場合の目安で、適切に保管するにはセラーが必要です。
具体的な年数で言うと、ドンペリの中で最もスタンダードなドンペリ白の熟成期間は約8年。なので、ドンペリ白(ドンペリ ヴィンテージ)であれば、発売されてから約8年間は美味しく飲めるということになります。
まだちょっと難しいですよね!ドンペリのボトルに記載のある情報からどうやって飲み頃を計算するか、説明していきたいと思います。
ドンペリの熟成期間ってどうやって分かるの!?
「ドンペリの飲み頃の目安は熟成期間」となると、まず知りたいのがドンペリの熟成期間です。
ンペリの熟成期間は、ドンペリの種類によって異なります。ドンペリの種類という記事にそれぞれの熟成期間を掲載しているのですが、抜粋すると次の通り。
- ドンペリ ヴィンテージ(ドンペリ白):8年程度
- ドンペリ ロゼ ヴィンテージ(ピンドン):10年以上
- ドンペリ P2 :16年程度
- ドンペリ エノテーク(ドンペリ黒):16年程度
- ドンペリ レゼルヴ・ドゥ・ラ・ベイ(ドンペリゴールド):20年程度
- ドンペリ P3:25年程度
上記情報で熟成期間の目安は分かったものの、各ドンペリの飲み頃をどう算出すればよいのでしょうか。その方法について次に説明していきます。
ドンペリの飲み頃、実際に計算してみる!飲み頃の計算方法!
上記のドンペリのヴィンテージは2008。2008年に収穫されたブドウを使って造られているドンペリということ。単純に2008年から少なくとも約8年間は熟成されると考えると、実際に消費者に手渡されるのは、2008年+8年で2016年なんですよね。
実際、このドンペリ2008がリリースされたのは2017年でした!
それから、熟成期間を足せば飲み頃の目安になります。2017年+8年は、2025年になるので、ドンペリ2009の場合は2025年前後までが飲み頃(美味しく飲める目安)と捉えられます。つまり、お手持ちのドンペリの飲み頃を確認する手順は次の通り。
- ドンペリの種類と年号を確認する
- 年号に各ドンペリ種類に応じた熟成期間を足す(おおよその発売年を把握する)
- 上記で分かった発売年に、各ドンペリの種類に応じた熟成期間を足す
- 上記で出た年号前後までが、そのドンペリの飲み頃となる
参考として、是非計算してみてくださいね!
未開封の古いドンペリ、飲むための心得5つ!
未開封の古いドンペリ、早めに開けることをオススメしています。では、開けると決めたらどうしたら良いか、冷やし方も含めて心得としていくつかおさらいしておきましょう!
過度な期待は厳禁!白ワインと考えておく!
保管期間が長ければ長いほど、また常温保存されている場合は特に、過熟成や酸化による劣化(泡がないことを含む)が起きていることを覚悟しましょう!白ワインとして飲める可能性は十分にありますが、過度は期待は厳禁です。
「古いドンペリが飲めるか!いざ実験!」というような、楽しい実験を行う感覚でイベント化して楽しむことをオススメします。イベント化すると楽しいですよ!そうすると、期待値が下がり、満足しやすくなります。
古いドンペリ冷やし方!
常温で保存していた場合は、冷蔵庫で3時間以上は冷やしましょう!もしくは下記のようなワインクーラーに、水と氷を1対1の割合で入れてボトルをしっかり浸けて冷やせば、約30分程度で冷えます。(ドンペリのラベル<エチケット>は濡れて汚れます。)
氷がない場合は、保冷剤でも代用可能ですが、見栄えは劣ります。
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グラスは細長いものでなく、丸みのあるグラスがオススメ!
ドンペリは高級シャンパンで香味には複雑さがあります。その複雑さを楽しむには細長いシャンパングラスではなく、上記商品画像のような丸みのあるグラスがオススメ。
丸みのあるシャンパングラスがないようであれば、普通のワイングラス(赤・白ワイン)で代用も可能です。そもそも長期に渡って保管されているドンペリは、泡が少なくなっているため、細長いフルートグラスだと泡が弱く、見栄え的に寂しい気持ち芽生えてしまうんですよね。
そういった意味でも、丸みのあるグラスの使用がオススメです。
ドンペリの開け方!
もともとドンペリは抜栓がすごく楽な高級シャンパン。シャンパン初心者さんでも簡単に開けることが出来ます。開け方については別記事で解説しているので、心配がある方は参考にしてみてください。
代替えシャンパンを準備すると良い!
大切な記念日にドンペリを開ける場合、せっかくならシャンパンを美味しく飲みたいですよね!長期に渡り保管したいドンペリを開けるのは、イベントとしては楽しめるのですが、美味しく飲めるかどうかは開けてみないと分からないという結果論。
よって、筆者の提案としては、大事な記念日シーンであれば割と安価でありながら、美味しく飲めるシャンパンを代替えとして準備しておくのがオススメです。古いドンペリが美味しく飲めるのであれば、代替えシャンパンは別の時に楽しめば良し。
古いドンペリを飲んでみて、「うーん。」と満足がいかなければ、代替えシャンパンも冷やしておいて開けて楽しめば良し。代替えシャンパンさえ用意しておけば、万が一ドンペリで楽しめなくてもそれをカバーして楽しめる安心感があります。
そんな代替えシャンパンのオススメを次に紹介しておきます。どれもシャンパンの中ではリーズナブルで楽しめますよ!
代替えシャンパン、オススメ3本!
パイパ―・エドシック ブリュット
マリリン・モンローが愛したシャンパンブランドで、長年に渡りカンヌ国際映画祭の公式シャンパンブランドであった「パイパ―・エドシック」のスタンダードシャンパン(白・辛口)。
明るく、陽気で、美味しい、そんな記憶がずっと残るシャンパンで会話も盛り上がりますよ!
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パイパ―・エドシック エッセンシャル ブリュット
上記で紹介したパイパ―・エドシックの別種類の白・辛口シャンパン。上記より糖分が少なく、食事に合いやすいのはこちら。上記種類よりも、少しクラシカルな印象を与えてくれます。こちらも美味しく楽しめます。
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バロン・ド・ロスチャイルド ブリュット
赤ワインで名門の「ロートシルト(ロスチャイルド)」家が造るシャンパン(白・辛口)。
一口目からドーンと良い意味でパンチをもらったような、圧倒的な力強さを感じたシャンパンで、その美味しさの衝撃が忘れられず、「美味しい」「感動」という記憶が長年ずっと残る、筆者にとっては不思議なシャンパンです。
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それでは最後に、まとめといきましょう!
まとめ:古いドンペリは早めに開けるべし!
古いドンペリでも飲める可能性は十分にありますが、炭酸ガスが減って白ワイン化しているなど劣化の可能性はあります。飲めるかもしれないけれど、美味しく飲めるかは別の話ということ。
ただ、明日よりは今日の方が飲める可能性が高い!よって、早めに開けてみることをオススメします。「古いドンペリが飲めるのか!いざ実験!」というような実験感覚でイベント化すると楽しめますよ!
また、ここぞという記念日に古いドンペリを開ける場合は、代替えシャンパンを用意しておくと安心。万が一の時でも、特別感を演出できるシャンパンで乾杯ができます。
以上が、ドンペリの賞味期限について未開封で古いドンペリが飲めるのかについてでした。それでは、また!