「シャンパンをプレゼントやギフトで頂いた!」、「急にシャンパンが飲みたくなった!」そんな時に知りたいのが美味しく飲む方法。せっかくだから美味しく飲みたいですよね。
これまでたくさんのシャンパンを飲んできましたが、美味しくシャンパンを飲むためには、一般的なシャンパンと高級シャンパンで飲み方に若干の違いがあります。
特にやっかいなのが、一部の高級シャンパン。飲み方に気を付けないと「美味しくない」、「こんなもの!?」と過小評価に繋がる可能性があります。そうなると雰囲気が台無し、楽しさが半減します。
ということで、ここでは一般消費者さん向けにシャンパンの飲み方と、美味しく飲むための注意点など、実体験を交えてまとめておくことにします。
「一般的なシャンパン」と「高級シャンパン」、なぜ飲み方が違うの!?
一般的なシャンパン(スタンダードなシャンパン)と高級シャンパン、分かりやすい明確な違いはというと、「熟成期間」が挙げられます。
ブランドや生産者の方針などによって各シャンパンの熟成期間に違いはありますが、フランスのワイン法で熟成期間の規定があり、シャンパンのランクによって最低限の「熟成期間」が定められています。
- 一般的なシャンパンの熟成期間は、最低でも15ヶ月~
- 高級シャンパンの熟成期間は、最低でも3年~
ここでいう一般的なシャンパンとは、シャンパンランクでいう「ノン・ヴィンテージシャンパン」のこと。高級シャンパンとは、「ヴィンテージシャンパン」や「プレスティージュシャンパン」を意味しています。
上記かは分かる通り、一般的なシャンパンよりも高級シャンパンの方が最低熟成期間が長くなります。熟成期間を眠りと考えると、高級シャンパンの方が眠りが長いということ。
シャンパンは、抜栓(開栓)してようやく目を覚ましますが、高級シャンパンは眠りが長い分、起きるまでに、そして現状に適応して本領発揮するまでに時間がかかるのです。
逆に一般的なシャンパンは、抜栓してからのすぐに本領発揮できる傾向にあります。すぐに美味しく飲めるということ。
また、一般的なシャンパンは、万人受けに造られていることが多く、誰もが気軽に美味しく飲めるよう、楽しめるように造られています。
特に生産量が多く、世界に流通するような大手のシャンパンブランドの場合はそういった傾向が強いですね。
一方で、「ドンペリ」など、生産者が造る最高級品に位置づけられる高級シャンパンの場合は、生産量は少なく、こだわりや個性が強くなります。ある意味、気難しさがあるということ。
だからこそ、高級シャンパンの場合は、一般的なシャンパンよりも飲み方に気を遣う必要があるのです。
これが、一般的なシャンパンと高級シャンパンの飲み方が異なる理由です。
「一般的なシャンパン」と「高級シャンパン」の見分け方とは!?
見分け方は例外を除けば簡単!
fa-lightbulb-oシャンパンボトルやラベル上に「年号表記」がある or 価格が約1万円以上~であれば、高級シャンパン。年号表記がなく、価格が1万円未満であれば、一般的なシャンパンと考えましょう。
例を挙げると、下記は「2009」の年号表記があるので、「ヴィンテージシャンパン」に該当するので高級シャンパン。
下記のシャンパンも、年号表記はありませんが価格がフルボトル1本数万円以上するシャンパンなので、高級シャンパン。年号表記がないので、ノン・ヴィンテージとも呼ばれますが、実際はマルチヴィンテージシャンパン。
一方、下記のシャンパンは、年号表記もなく、1万円未満。一般的なシャンパンである、ノン・ヴィンテージシャンパンです。
一般的なシャンパン、美味しい飲み方!手順!
まずは、一般的なシャンパンの美味しくのむための手順を紹介していきましょう。ワイン初心者さんでも十分楽しめます。
1. シャンパンの自宅保存・保管(飲むまでの間)
シャンパンを頂いたり、購入してきたら飲むまでの間、自宅で保存・保管する必要があります。
シャンパンが特に苦手なのは、紫外線や一部の蛍光灯の光、そして高温・低温や温度変化です。
保管場所として最も適しているのはワインセラーですが、セラーがない場合は、新聞紙にくるんで冷蔵庫の野菜室がオススメ。野菜室が難しいようであれば、冷蔵室でも短期間の保管であれば大丈夫です。
なお、特に避けたいのは、真夏の高温高湿になる場での保管と、真冬の氷点下になる場所での保管。劣化の可能性が高くなります。
シャンパンの自宅保存・保管について、詳しく知りたい方は下記にまとめてあるので、どうぞ。
2.シャンパンを冷やす
各シャンパンによって、飲み頃温度は異なりますが、一般的な目安となる飲み頃温度は8-9℃前後。
一般的な目安冷蔵庫で保管している場合は、自然とこのくらいの温度になっているので冷やす必要はないのですが、セラーなどで保管している場合は、飲む前に冷やす必要があります。
というのも、シャンパンの場合、保管の適温と飲むための適温は異なるんですよね。
保管・保存の適温は10~16℃程度のため、実際に飲む際には前もって冷やしておく必要があります。
冷やし方は冷蔵庫に入れるでもよし、上記画像のようにワインクーラーに浸けておくのでもOKです。
保管の適温にあったものであれば、冷蔵庫に3時間冷やせば十分冷えますし、ワインクーラーの場合は氷が足りていれば20分程度で十分冷えます。
冷えていないシャンパンを当日冷やしたい場合、飲むまでに3時間以上あれば冷蔵庫に入れましょう。8℃前後まで冷えるはず。
3時間も時間がない場合はワインクーラーに水と氷を入れて冷やしましょう。氷と水1対1が理想ですが、氷が家庭の製氷機だと足りない傾向にあります。氷が足りていれば、30分程度で8℃前後になります。
ワインクーラーがない場合は、シャンパンボトルが入る入れ物に氷と水を入れて冷やします。ボールでも代用できますが、ボトルに浸かる部分が少ないため、なかなか冷えない可能性ありです。
ワインクーラーでの冷やし方、当日冷やしたい場合の詳細は下記にまとめてますので、詳しく知りたい方はどうぞ。
ワインクーラー(シャンパンクーラー)、一家に1つあると便利なので、この際に揃えるのもオススメです。
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3.シャンパンを抜栓(開栓)・落ち着かせる
シャンパンを開けましょう!抜栓方法については、下記記事でワイン初心者さんでも簡単に開けられる方法を画像付で説明しています。
ここで気を付けたいのが、シャンパンを開けてすぐに注がないこと。少し開けたままにして一旦落ち着かせてからグラスの注ぎましょう。5分程度でもOK。
開けた直後は、シャンパンが目覚めた直後、泡も勢いが増しているので少し落ち着かせて本領発揮してもらいましょう!
4.シャンパンを飲む!
一般的なシャンパンの場合、シャンパンを抜栓して一旦落ち着かせたら、美味しく飲める飲み頃となります。グラスは、上記のような細長いグラス(フルート型)でOK!
高級シャンパン、損しない飲み方、楽しみ方!
飲み方の手順は、上記の一般的なシャンパンの飲み方と一緒なのですが、「4.飲み方」だけ若干異なります。異なるというより、より気を配ることになります。
先にお伝えしましたが、高級シャンパンや一般的なシャンパンと比べると生産者がこだわりを持って造るため、個性的なシャンパンばかり。
ある意味、「気難しい」という捉え方も出来ます。その気難しさから価値を理解できず、「美味しくない」と感じる人は実は多いのです。
そんな高級シャンパンを飲む上で、美味しく飲むための「4.飲み方」のコツは下記の通り。
『高級シャンパン(高価)=美味しさが増す』ではないと理解する!
高級シャンパンとなると、一般的なシャンパンよりも高価になります。そうなると、期待してしまうのが「それなりの美味しさ」なんですよね。高価になればなるほど、美味しさも増すと思い込んでしまいます。
でも、シャンパンの場合はそう簡単にいきません。
高級シャンパンは、こだわりが強く、個性的なシャンパン。そうなると、高級シャンパンの中には、そのこだわりや個性を理解するのに、それなりのワインの経験値や飲み手の技術を必要とするものがあるのです。
一部の高級シャンパンは、人を選ばず誰にでもオープンで美味しさの分かりやすいものもありますが、そういった高級シャンパンの方が少数派なんですよね。
>>シャンパン初心者さんにオススメのシャンパン!美味しい感動や驚きを与えてくれるシャンパンはどれ!?
fa-lightbulb-oなので、高級シャンパンの場合は、簡単に美味しさが分からないもが多いと理解しましょう。あらかじめそう考えておけば、「美味しさ」を見出しやすくなります。
逆に、『高級シャンパン(高価)=すごく美味しい』と考えてしまうと、期待が大きすぎる分、落胆しやすく、美味しさや魅力が分かりづらいのです。
だからこそ、『高級シャンパン(高価)=美味しさが増す』ではないということ、あらかじめ知っておきましょう!
時間をかけてじっくり飲む!
高級シャンパンは、一般的なスタンダードシャンパンよりも熟成期間が長い。つまり、眠りに例えると、眠っている時間がとても長くなります(最低でも3年)。
シャンパンは、抜栓することで起きることになりますが、開栓してすぐは、シャンパンも起きたての状態。そのままグラスに注いで飲んでしまえば、まだ眠け眼(ねむけまなこ)のまま、本領発揮してない状態で飲んでいることになります。
そうなると美味しさが分かりづらい!
高級シャンパンを開けたら、開いた状態でしばらく置いておきます。ちなみに我が家は、気難しいシャンパンの場合、20分~30分そのままにしておくこともあります。
温度が上がってきてしまうので、ワインクーラー(シャンパンクーラー)など適宜冷やす必要がありますが、ワインクーラーがない場合は5分~10分だけでも良いので、落ち着かせましょう。
そして、落ち着かせてからグラスに注ぎます。
熟成期間の長い高級シャンパンの場合、下記のような丸みのあるシャンパングラス(チューリップ型)、個人的にオススメです。グラスの間口が広いため、空気に触れやすくより早く目覚めてくれます。
でも、チューリップ型グラスがない場合は、フルート型グラスでもOK!たまに飲むのであれば、買い揃えるのもありですが、無理に購入する必要はありません。
その後は、時間をかけてじっくり飲みましょう。シャンパンは発泡性ワインなので、グビグビ飲めて、すぐに空(から)に出来ますが、グビ飲みはNG。美味しさを見出しづらく損するのでやめましょう。
高級シャンパンの多くは、開けてから徐々に変化を感じることが出来ます。それが、とにかく魅力的。
温度が上がるにつれて、香りが広がり、最初は美味しさが分からなくても、途中から「あれ?こんなに美味しかったの!?」なんて驚くことが結構あります。高級シャンパンの場合、本領発揮までに時間がかかるのです。
ちなみにどれくらいの時間をかけけて飲むかですが、こればかりは人によりますが、「ドンペリ」の場合、我が家は2時間はかけます。
温度が上がってきてぬるいと感じればまた冷やし、一緒に飲む相手と語らいながらゆっくりと飲みます。それでも空にならず、途中保存をして次の日も楽しみます。
>>シャンパン、”飲みかけ”や”飲み残し”、途中保存はどうしたら良い?ストッパーの種類!
高級シャンパンの醍醐味は、変化と飲み手の感情を動かすところ。「うわ、変わった!」というような、感動の体験が待っているかもしれません。
>>シャンパン初心者さんにオススメのシャンパン!美味しい感動や驚きを与えてくれるシャンパンはどれ!?
少人数、2-3人で飲む!
人もそうですが、人の個性やこだわりを理解するのって、時間がかかりますよね!?出会ってすぐでは、分かりません。
高級シャンパンも同じで、じっくり向き合うことで、高級シャンパンの個性を理解する準備が整います。
それなのに、大人数で飲んだら、あっと言う間にすっからかんになります。一緒に飲む人数が多くなればなるほど、1人あたりの飲む量が減り、飲むスピードも早くなり、気付けば「あれ?もうなくなったの!?」と、いとも簡単に空になります。
そうなれば、じっくり飲むことは不可能。だからこそ、高級シャンパンの価値を感じるためには、なるべく少人数で飲んだ方が良いのです。
fa-lightbulb-o具体的に何人が良いのかというと、2-3人がオススメ。
シャンパンのフルボトル1本(750ml)は、一般的なシャンパングラスを使って2人で飲むと大体1人3杯半程度。3人で飲めば1人2杯ちょっとになります。このくらいの人数だと、シャンパンとじっくり向き合うことが出来ます。
あとは、一般的なシャンパンと飲み方は同じ。高級シャンパンの本領発揮を待ちながらゆったりと飲みましょう。
これまでたくさんのシャンパンの飲んできて気づくことがあります。それは、「美味しい」シャンパンだけが価値のあるシャンパンではないということ。
「美味しい」に限らず、感情を動かし、記憶に残るシャンパンが価値のあるシャンパンなのだと気づきます。
それは、「美味しさ」とは別次元である感情だったりもします。でも、どんな記憶であれ、記憶に残るシャンパンは、記憶に残らないシャンパンよりも魅力的なのです。
「また飲みたい」そう思わせてくれるシャンパンは、高級シャンパンに多く、記憶に残るシャンパンたちです。
それでは、また!