これまで1度もなかったのですが、先日初めて劣化したシャンパンに出会いました。長年ワインを飲んできて、初めてだったので、衝撃でしたね。コルクを抜いた瞬間から異臭がして、グラスに注いで飲んでみても変わらず。明らかに劣化していることが分かりました。
その際に感じたのは、劣化ワインについて少しでも知っておくと、劣化しているかどうかの不安が少なく、何が原因なのか、どうして起きたのかが予測できるということ。また、劣化ワインに気づき、販売先に問い合わせをする際にも、少しでも知識があると気が楽になります。
ということで、今回は”劣化ワインの種類について”まとめておこうと思います。
一般消費者でも分かる、劣化ワインの見分け方!
これはすごく簡単、香味が不快かどうかで劣化有無を判断しましょう。
劣化するというのは、品質が劣っているということ。正直に言ってしまえば劣っているかどうかというのは、比べないと分からないんですよね。
でも同じワインを何度も何度も飲んでいるのは、よほどのワイン通さんであり、ほとんどの一般消費者さんは経験がないワインを飲むことが多いはず。
よって、一般消費者さんにとって有効な劣化の見分け方は、香りや味に不快感があるかということなんです。ここでいう、香味に不快感があるというのは、香りや味わいで飲む気力が失せる、現実的に飲めない、飲み進められないということ。
こういった不快感のあるワインは、劣化ワインと見分けましょう。
そして実は、不快な臭いの種類でどういった劣化かを見分けることができます。ということで次に劣化の種類をみていきましょう。
劣化ワインの種類!
fa-lightbulb-o劣化したワインは、「保存・保管状態によって起因する劣化」と「生産過程で起こる劣化」と2タイプに分けることができます。
”保存・保管状態によって起因する劣化”の場合は、輸送業者や販売先、消費者の起因によって起こると考えます。一方で、”生産過程で起こる劣化”においては、生産者側ですでに起きている劣化のため、輸送業者や販売先、消費者に起因するものではありません。
保存・保管状態によって起因するワインの劣化
この劣化は、輸送業者や販売先、消費者の保存・保管環境が起因となって起こる可能性が高いもの。並行輸入品よりも、正規品の方がリスクが低いと考えられます。>>並行輸入品とは!?
温度(熱)による劣化ワイン
高温や低温に晒されたことが原因で劣化したもの。ワインの保存・保感の適温は、12~16度までとされていて、それ以上となるとワインの色が褐色化、果実が傷んだような不快な臭いや苦い味わいが出ると言われています。
原因としては、温度が管理されていない状態での輸送や、冷蔵施設のないところでの保存・保管。
また、低温保存・保管の場合は、酒石酸といった結晶が出来てしまい、旨み成分と結合することから、香りや味に影響があると言われてます。ただ、結晶が見てとれる以外、高温における劣化ほど明確ではありません。
紫外線による劣化ワイン
これも、保存・管理状態に起因して起こるワインの劣化。紫外線や蛍光灯などにワインが晒されることでワインが劣化し、ワインの色が褐色化。劣化が進むと、焦げた臭いや蒸れたような獣(けもの)の臭いが発現します。
味わいもブドウ本来の新鮮さが失われますが、傷んだ果実のような味覚になることも。
酸化による劣化ワイン
コルクの乾燥や、液漏れなど、何らかの原因でワインが空気と触れ合うことで起きてしまうワインの劣化。これも保存・保管環境に起因します。
酸化といっても、場合によっては熟成を促し、よりまろやかで良い味わいや香りになる可能性もありますが、限度を超えての酸化は異臭の原因となり、味に悪影響を及ぼします。
生産過程で起こるワインの劣化
カビによる劣化ワイン
いわゆるブショネと呼ばれる、劣化ワインのこと。ワインを生産する過程で起こるため、輸送業者や販売店、消費者に起因しない劣化。コルク製造の際にカビが生じてしまい、異臭の原因となります。
このブショネですが、生産過程において数%の確率で起きてしまうため、小売店によっては返品等の対応をしない方針をとっているところもあります。
古い段ボール、カビ臭いといった不快臭が生じるのが特徴。
硫化水素や酸化防止剤による劣化ワイン
還元臭といわれる劣化で、これも生産過程(発酵時)や、醸造時に必要な酸化防止剤(亜流塩酸)が起因となって起きてしまうもの。温泉卵のような、硫黄の匂いがします。
たた、デキャンタ―ジュといって、ワインを空気に触れさせることで、この匂いを消すことが出来ると言われているため、異臭がなくなれば、劣化ではなく通常のワインとして楽しめる可能性があります。
以上が、『劣化したワインってどんなワイン!?劣化ワインの種類!』でした。
ほんの少し情報があることで、よりシャンパンやスパークリングワインを含むワインをより楽しむことに繋がります。
それでは、また!