ボランジェ ロゼ

「フランスのワイン法って何!?」、「A.O.C.ってよく聞くけど何のこと!?」

これまで、シャンパンはフランスのワイン法で定められている条件をクリアしたスパークリングワインのみがシャンパンと呼ばれると記載してきましたが詳しいことは何も説明してこなかったんです。

でもきっと中には、

そのワイン法って何!?シャンパンと呼ばれるための具体的な条件は!?

などの、疑問が浮かんだ方もいるはず。

ということで、今回はワイン法、よく聞くA.O.C.についてシャンパンと絡めながら簡単にまとめておこうと思います。

シャンパンとフランスのワイン法!フランスのワイン法とは!?

ヴーヴ クリコ ロゼ

ズバリ、フランスのワイン法はA.O.C.と呼ばれるもの。そして、そのワイン法であるA.O.Cは、シャンパンを含むワインにおいて、生産者と消費者の両者を守るために作られた法律です。

消費者を守るというのは、表示とワインの中身が異なるような粗悪な偽物のワインではなく、本物のワインを手に取れるようにすること。生産者を守るというのは、ワインや産地の価値を保護し、粗悪品によって影響が出ないよう生産者の利益を守ることに繋がります。

そんなフランスのワイン法の歴史的な流れを簡単にまとめると次の通り。

流れ!
  1. 中世に粗悪なワインが出まわり社会問題に発展
  2. 上記問題解決のため、ワイン法が定められた
  3. 1919年、生産者が偽装ワインにおける被害を起訴できる法律が定められた
  4. 1935年、A.O.C.が制定された

 

フランスにおいて、中世にはワイン消費量が不足したことから粗悪なワインが多々出まわるようになりました。

フランスの有名産地の名が記されているのに中身は別の国のワインというような、まさに偽物が多く世に出回った時代。生産者も消費者も混乱し、ワインの歴史において社会に大きな乱れを起こした時代です。

また1800年代には、フランスのブドウ畑はフィロキセラという害虫の被害に遭い、壊滅的な状態に。ワイン市場においてさらなる混乱を招く要因となりました。

これら粗悪品に対抗する解決策として定められたのがワイン法。最も初期に制定されたワイン法は具体的に何年だったのか明確に記載が見つからずですが、当時は糖分を過度に添加したり、ワインを水で薄めたりしないよう禁止する内容だったと言われています。

明確な年号表記があるのが1919年、粗悪ワインの被害にあった生産者が裁判所に起訴できる法律が定められました。実際にフランスの有名産地が記されている偽物のワインに対し、フランスの生産者組合が相手業者に裁判を起こしています。(結果は生産者組合が勝訴。)

そして1935年、上記のような裁判で議論された内容も含めた、現在も続くA.O.C.法(Appelaation d'Origine Controlee:原産地統制呼称法)が定められました。ちなみに「Champagne(シャンパーニュ)」がA.O.C.に認定されたのは1936年です。

A.O.C.とは!?

そもそも、A.O.C.=原産地統制呼称法とは何なのか。普段の会話で「原産地統制呼称法」という単語は聞かないため、イメージがわかずとても分かりづらいんですよね。

簡単にいうと、A.O.C.とは地名(原産地)を明記するための条件(法律)

ワイン法としてのA.O.C.が制定されたきっかけは粗悪なワインが出回ったこと。例えば、ラベルにシャンパンと記載があるのに、中身はフランスではなく別の国のスパークリングワインが入っているなど。

このような粗悪なワインを規制するために、原産地名の記載を統制するシステムがA.O.C.です。このA.O.C.により、ワインの品質や生産者の利益、原産地の価値、伝統などを守り、消費者にとっては本物である証(あかし)となるため安心感が得られます。

ちなみにこのA.O.C.は、ワインだけではなくチーズなどの食品にも適用されています。

シャンパン以外でA.O.C.で認定されている他の有名なワイン原産地といえば、ボルドーやブルゴーニュは知名度が高く知っている方も多いはず。ブルゴーニュ地方やボルドー地方となると、A.O.C.でも階級が分かれており、地方名から村名や畑名まで認定されています。

シャンパンにおけるA.O.C.の条件って何!?

では、シャンパンにおいて、シャンパンと明記するためのA.O.C.の条件とは何なのか。一般消費者として分かりやすく条件を挙げると次の通り。

  • 生産地域(フランスのシャンパーニュ地方)
  • 使われるブドウ品種
  • ブドウ樹の剪定方法
  • ブドウ収穫量(1haあたり)
  • 最低アルコール度数(収穫時)
  • 醸造方法(瓶内二次発酵)
  • 熟成期間

原産地名を守るため、当然ながら生産地域はフランスのシャンパーニュ地方に限定されています。なので、他地域や他国で生産されたスパークリングワインは「シャンパン」ではありません。

つまり、ポップや商品説明に「シャンパン」と表記があるのに、実は他国のスパークリングワインだった場合は違法ということ。ここは「シャンパン」ブランドを守るために、シャンパーニュ委員会は重要視しており、名称の不正使用においては通報窓口も設置されています。

また、使われるブドウ品種も特徴的。7種が使用可能ですが、主に使われているのは、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3種。他にはピノ・グリ、アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブランがあります。

後は、一般消費者として知っておきたいのは、シャンパンの醸造方法に瓶内二次発酵が採用されていること。ステンレスタンクではなく、瓶の中で発酵させ、熟成期間も最低で15か月間以上は必要。アルコール度数も11%以上となります。

一般消費者としてこれだけ知っていれば十分!私自身も簡単にまとめてみることで、整理ができました。

以上が「シャンパンとA.O.C.、ワイン法について」でした。

それでは、また!

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