「ドンペリをもらったけど、どう保存すればいいの?」
プレゼントやお祝いで届いたり、自分へのご褒美に買ったり。特別な存在であるドンペリが手元にあるのは嬉しい反面、「間違った保管で台無しにしたらどうしよう」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
ドンペリの自宅保存は、コツさえ掴めば意外とシンプルで簡単。ただ、分からないまま常温保存をしてしまうと、せっかくの一本を無駄にしてしまうことも…。
この記事では、全日本ソムリエ連盟認定ソムリエであり、ドンペリをリピート購入している筆者が、初心者の方でも失敗しない自宅でのドンペリの正しい保存方法をわかりやすく解説。
冷蔵庫での保管や常温のリスク、横置き・縦置きの違いなど、「知らなかった!」を防げるポイントを丁寧にお伝えします。せっかくのドンペリ、後悔せずに楽しむためにも、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読み終える頃には、保管の不安が消えて、ドンペリを楽しむ心の準備が整いますよ!
高級シャンパン「ドンペリ」、保存方法が大切な理由
「ドンペリは冷蔵庫でいいの?」「常温でも大丈夫?」という疑問は、ドンペリを初めて手にした方のほとんどが抱える悩み。シャンパンの中でも特に繊細で高級なドンペリは、保存状態ひとつで香りや味わいが大きく変わってしまうことがあります。
まずは、なぜ保存方法が重要なのか、その理由を知っておきましょう。
ドンペリは熟成のピークで出荷される
ドンペリは、すでに「飲み頃のピーク」を迎えた状態で出荷されるシャンパンです。つまり、「すぐに美味しく飲める」状態ということ。高級ワイン=長期熟成が必要というイメージを持つ方も多いですが、ドンペリを含むシャンパンにはそれが当てはまりません。
むしろ、買った直後が最も品質が安定しており、本来の風味や泡立ちを楽しめるタイミング。もちろん、ワインの経験値があり自宅にセラーがある場合は「熟成を楽しむ」という選択肢もありますが、セラーがない環境で長期間保存すると、かえって劣化のリスクが高まります。
誤った保存で「味が落ちる」「泡が消える」ことも
保存環境が悪いと、ドンペリの最大の魅力である繊細な香味や泡が失われてしまうこともあります。
例えば…
- 室温が高すぎる → 過熟成になり著しく香味が変化する
- 冷蔵庫で立てたまま乾燥 → コルクが縮む → 空気が入り、酸化(泡がなくなる)
- 光や振動、ニオイの影響を受けて香味に変化が出る
このように、ドンペリは環境に敏感な飲み物です。「もらってから飲むまで少し時間が空きそう…」という場合こそ、正しい保存方法を知っておくことが大切です。
ドンペリの正しい保存方法【開栓前】
ドンペリの保存・保管方法は、短期間か長期間かで変わってきます。短期間とは、1ヶ月以内くらいで飲もうと考えている場合。長期間とは、数か月〜年単位を想定しているケースです。
自宅にワインセラーがない場合は、「短期保管」が断然おすすめ。ドンペリを頂いたり、購入したりしてから1ヶ月以内に飲むのがベストです。
理由は主に2つあります。
- ひとつは、ドンペリを含むシャンパンはすでに熟成のピークを迎えた“飲み頃”の状態で販売されているため、これ以上寝かせて品質が激的に良くなるわけではないということ。
- もうひとつは、ドンペのリ品質を保つための理想的な保存環境が、一般家庭にはなかなか整わないという点です。
では、具体的に長期保管をする場合はどんな環境がドンペリにとって理想なのか、次に詳しく見ていきましょう。
ドンペリにとって理想の保存環境一覧表!
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 保管温度 | 12〜16℃ |
| 置き方 | 横置き |
| 光 | 直射日光・蛍光灯の当たらない場所 |
| 湿度 | 70%前後 |
| 振動 | 振動のない安定した場所 |
| ニオイ | 香りの強い食品や洗剤と離す |
保管温度:12〜16℃
ドンペリの理想的な保存温度は、下記公式サイトの見解にあるように、12〜16℃とされています。これはシャンパーニュ地方にあるドンペリニヨンのセラーとほぼ同じ環境です。
ヴィンテージそれぞれが持つハーモニーを損なわないため、高温での保存や急激な温度変化は避けましょう。これは、熟成プロセスが一定に保たれ、香りを損なわないようにするために不可欠です。
ドン ペリニヨン・ヴィンテージの理想的な保存温度は14℃(57°F)。少なくともシャンパーニュ地方にあるドン ペリニヨンのセラーと同程度の温度、つまり12~16℃(54~61 °F)の温度範囲内で保存してください。
一方、家庭の冷蔵庫は4〜6℃程度とかなり低く、冷やしすぎになる傾向があり、長期保管に及ぶと香味に影響が出てきます。逆に常温(特に夏場の日本)では25℃を超えることもあり、これは過熟成の進行を招く原因に。
一定温度での保管はセラー失くしては非常に難しいのです。(地下室があれば良いのですが...)
ドンペリは横置き保存が基本
ドンペリは、横置きで保存するのが基本。ドンペリの公式な見解としても、横置きの保管が勧められています。
ドン ペリニヨン ヴィンテージは水平に寝かせて保存します。ワインがコルクに接することで、乾燥を防ぎ、発砲性を長く保つことができます。
理由は、ボトル内のワインがコルクに接することで乾燥を防ぎ、気密性を保てるから。特に発泡性ワインはガス抜けを防ぐためにも、コルクの密閉状態が重要です。
縦置きのまま長期間保存すると、コルクが空気に触れて乾燥し、隙間ができやすくなります。その結果、炭酸ガスが抜けたり酸化が進んで風味が落ちることも。
ただし、冷蔵庫のスペースや安全性の面で横置きが難しい場合は、短期間(1ヶ月以内)であれば縦置きでも問題ありません。その場合は早めに飲むことをおすすめします。
直射日光や蛍光灯が当たらない場所
ドンペリを含むシャンパンは、光にとても敏感です。直射日光や蛍光灯の光に長時間さらされると、ワインの成分が分解され、味や香りに悪影響が出ることがあります。
ドンペリのボトルが深い緑色や黒に近い色をしているのは、光を遮るためですが、それでも完全に防げるわけではありません。そのため、保存場所としては窓辺や照明の近くなど光が当たる場所は避け、できるだけ暗所に置くことが理想です。
冷蔵庫に入れる場合も、扉の開閉によって光が当たることがあります。そういった場合には、新聞紙で包むことで光の影響を最小限に抑えることができます。
湿度が70%前後の場所
シャンパーニュ委員会によると、保存に適した湿度は70%前後とされています。湿度が低すぎると、天然コルクが乾燥してしまい、縮んで密閉性が落ちてしまうリスクがあります。
コルクが痩せると、空気がボトル内に入り込み、炭酸が抜けたり酸化が進んだりする可能性が高まります。
家庭用冷蔵庫は通常30〜50%程度(冷蔵室の一角は10~20%という情報も..)で冷蔵庫によっても偏りがあり、長期保存には向きません。
振動のない場所
ドンペリを含むワインは、振動にも敏感。瓶内で泡や成分が常に動くと、繊細な香味が乱れてしまう可能性があります。これは「熟成の妨げ」とも言われ、ワインセラーが振動を抑えた設計になっているのもこのためです。
家庭の中では、冷蔵庫のドア付近や上部は微細な振動が多い場所。できるだけ静かで安定した場所、たとえば冷蔵庫の奥や棚の下段などを選ぶのがポイントです。
強い匂いを持つものと一緒ではない場所
シャンパンを含むワインは、周囲の香りを吸収しやすい性質を持っています。特に天然コルクを使用したボトルは、わずかな隙間から空気を取り込むため、ニンニクやキムチ、洗剤、芳香剤などの強い匂いが中身に移ってしまうことも。
冷蔵庫内で保存する場合は、匂いの強い食品とは距離を置くことが大切です。
家庭でこれを実現するのは難しい!
ここまで見て気づくことは、ドンペリにとって理想的な保存環境は、ワインセラーがないと実現が難しいということ。一般的な家庭でこのすべてを満たすのは、正直かなりハードルが高いです。
特に、冷蔵庫は便利なようで、温度や湿度、振動、光、においの面でデメリットもあるんですよね。
でもこれは、あくまで「長期間保存する場合」の話です。ということで次に、セラーがない家庭を想定して、「短期保存」の考え方とコツをご紹介していきます。
セラーがないなら「短期保存」が正解
短期間であれば、堅苦しく考えなくてOK!なるべく次のポイントに気を付けて冷蔵庫保存し、なるべく早めに開けましょう!
冷蔵庫での保存のポイント
ポイントは次の通り。
- 冷蔵庫での保管でOK
- 冷蔵室よりも野菜室での保存が理想的
- 光による劣化対策でボトルを新聞紙で包むと良い
- 横置きにすることでコルクの乾燥を防げる
冷蔵庫の空き具合によっては横置きができなかったり、野菜室に保管できなかったり、新聞紙がなかったりと、各ご家庭で事情はあるはず。そういう場合は、できる範囲で気をつけて、早めに飲めばOKです。
すでに長期保管しちゃった!飲めるの?
気づいたら数ヶ月、下手したら年単位で保管してしまっていた…という方もいるかもしれません。その場合でも、まずは捨てる必要はありません。
なぜなら、長期常温保存をしていたのに「飲めた」という実例があるからです。
状態によっては飲める可能性も
すでに適切な環境に置かずに長期保管をしてしまった場合、私がオススメしているのは「まずは開栓してみるべし。」です。
ドンペリを適切な環境に置かずに長期間保管していた場合は、保管の状態にもよりますが、発泡が弱まっているはずです。コルクは少なからず空気を通すため、時間経過と共に発泡が弱まることは仕方がないことなんですよね。
ただ、ドンペリは高級シャンパンであり良質なブドウを使って造られているため、中には過熟成したワインとして飲める可能性も出てきます。
実は知人で、贈り物のドンペリを20年以上常温保管(半地下のお部屋で)していた方がいらっしゃったのですが、開けてみたところ発泡はほとんどなかったけれど飲めたとのこと。なので、長期保管してしまったドンペリも飲める可能性ありということになります。
ただ、これはあくまで「飲めた」という話で1点注意が必要です。
「飲めた」と「美味しく飲めた」は異なる
ただ、これはあくまで「飲めた」という話。
さきほど実例として挙げた、20年以上常温保存していたドンペリが飲めたという話ですが、知人が言ったのは「飲めた」でした。決して「美味しかった」ではなかったんですよね。この点は重要なポイント。
長期保管したドンペリは、飲める可能性はあっても、美味しく飲めるかは別の話。美味しさを期待するとがっかりする可能性もあるため、劣化は覚悟しておくのが現実的です。
開けて香りや泡立ちを確認しよう
長期保管したドンペリは、実際に開けてみるとある程度の判断ができます。開栓直後に「ポンッ」という音が弱かったり、グラスに注いだときに泡立ちが少なかったりする場合は、発泡性が落ちている証拠です。
また、香りを嗅いだときに、シャンパンらしい爽やかさや果実の香りがあれば、飲める可能性が高いと考えて良いでしょう。泡が立たなくても、「熟成ワイン」として楽しめるレベルであれば飲む価値はあります。
異臭・濁りがあるなら飲まない
一方で、開栓後に明らかな異臭(酸っぱい、カビっぽい、腐敗臭など)を感じた場合や、液体が濁っていたり、沈殿物が目立つ場合は注意が必要です。
この場合は、無理して飲まずに廃棄するのが賢明。というより、この状態になったら「不快で飲めない」「飲む気も起きない」はずです。
大切なのは「高級なものだからもったいない」よりも、安全重視。飲みたいと思えるかで判断しましょう。
開けた後の保存方法は別記事で!
ここまで「開ける前のドンペリの保存方法」について解説してきましたが、実は開けた後の保存方法は、まったく別の話になります。
「一度開けたドンペリ、どうやって保存すればいい?」「翌日も美味しく飲めるの?」と気になる方は、別記事で詳しく解説しているので、ぜひそちらをご覧ください。
▶ ドンペリ開けた後どうする?途中保存のコツと翌日も美味しく飲む方法
まとめ|セラーがなければ早めに飲む!が正解
ドンペリは「飲み頃」で出荷される、繊細で高級なシャンパン。赤ワインのように、自宅で長期熟成させる必要はありません。
最も楽な保存方法は、「すぐに飲むまでの短期間保存」。冷蔵庫でも、短期間であれば十分に対応でき、手軽です。保存環境に制限がある以上、セラーがない家庭では早めに飲むのがベストな選択肢。
「もったいないから取っておく」は、結果的に劣化を招いてしまう可能性もあります。せっかくのドンペリ、美味しく飲めるうちに楽しんでしまいましょう!