カーヴ

シャンパンやスパークリングワインの冷蔵庫保存や保管については以前から、

短期であれば、冷蔵庫でもOKだけれど、長期の場合はNG!

ということでお伝えしてきました。これは全ワインに共通することなんですが、その理由を簡単に言ってしまえば、

冷蔵庫保存だと、低温すぎるから

なんですよね。でもなぜ、シャンパン含むワインの低温保存・保管が良くないのか、今回は冷蔵庫保存がNGである理由について、まとめておきたいと思います。

シャンパン含むワイン冷蔵庫の長期保存・保管がダメな3つの理由とは!?

はてな

購入してから飲むまでの短期間の保存であれば、冷蔵庫保存でもOKだけれど、長期となるとダメと言われる理由は次の通り。

1.低温保存によって酒石が出てきてしまうから!

酒石

【上記画像引用元】酒石はワインのダイヤモンド ! - MOT!WINE

本来シャンパンの保管温度は10-15℃の間で一定の温度を保つこと。一方で冷蔵庫の温度は10℃未満が多く、我が家にいたっては約6℃。冷蔵庫での保管は、温度として低すぎてしまうのです。

シャンパンやスパークリングワインを低温で保存してしまうと上記画像のような「酒石(しゅせき)」という、ワインに溶け込んでいた成分の結晶が多く出てきます。

酒石とは・・

ワイン醸造の際、発酵槽の底に生ずる結晶性沈殿。酒石酸水素カリウムが主成分。酒石酸の製造原料。

この酒石が出てきてしまうと、本来ワインにあったウマ味成分と結合してしまい、味が変化すると言われています。そして、一度出来た酒石は再度溶けることは難しくなります。

2.香りが潜んでしまい、酸が強くなる傾向があるから!

泡

これは、冷蔵庫の短期保存でも、実際に実感出来る変化。特に、香りについては、豊かなものほど温度によって顕著に変化が出ます。

冷蔵庫保存をした後、低温の状態ですぐに飲むと、香り(アロマ)はあまり感じません。これは低温であることで起こる現象。でも短期間保存していた程度だと、その後しばらくテーブルに置き、温度が上昇するにつれて香りが豊かになります。この香りの変化に感動することも!

また低温になればなるほど、酸やフレッシュ感が強くなる一方で、同じワインでも温度が高めだと酸がやわらぐ印象があります。

これが長期にわたって保存されるとなると、本来感じられるはずの香りや味わいが潜(ひそ)んで変化してしまいます。

3.冷蔵庫は温度変化が激しく、時間と共に劣化してしまう可能性があるから

カーヴ

冷蔵庫は日常的に使う家電のため開け閉めも多く、温度を一定に保つことは難しくなります。それに日本の場合は四季も加わるので、冷蔵庫の扉の開閉する時期や時間によっても温度変化の差が大きくなります。

つまり、冷蔵庫はワインを保存する設備としては環境の変化が激しすぎるということ。

ワインにとっては、しっかり休みたいのに、しょっちゅう起こされて眠れないという状況が生じるのです。

ワインはそもそも、瓶詰されたあとでも保存環境によって熟成が進んだり、変化が生じてしまうナイーブなアルコール飲料。正しい環境でそのワインにあった適切な熟成が進めばより美味しく楽しめる一方で、熟成が過度になると劣化に繋がります。

ワインにとって理想の環境は地下蔵(カーヴ)の環境。直射日光が当たらない環境で、一定の温度や湿度で管理されている環境ですよね。冷蔵庫の環境は低温すぎるし、乾燥しやすく、地下蔵とは全く環境が違うのです。

これら3つが、シャンパン含むワインの長期に及ぶ冷蔵庫保存がNGの理由です。

シャンパン含むワイン、冷蔵庫保存しかない!保存期間の目安とは!?

「そんなこと言ったって、冷蔵庫しか保管する場所がない!」そういう方が多いはず。では、どれくらいの保存・保管目安であれば、美味しく飲めるのか。

このサイトはシャンパンやスパークリングワインの発泡性ワインがメインなのため、発泡性ワインについて言うと、冷蔵庫保存する場合は最大で1ヵ月程度が目安と考えましょう。

1ヵ月程度の理由は、期間の経過と共に温度変化の積み重ねも多くなり、劣化のリスクも増えて行くので、温度の変化幅が激しくなる夏の季節も踏まえて、1ヵ月程度が無難という結果に至りました。

以上が、『シャンパン含むワインの保存・保管、なぜ冷蔵庫がダメなの!?』でした。

それでは、また!

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