
お祝いやプレゼントで頂き、特別な日に開けようと大切に取っておいたシャンパンやスパークリングワイン。「もう古いけど飲めるかな?」「気づけば10年、腐ってる?劣化してない?」と不安を感じていませんか。
これらの答えは実はとてもシンプル。ただ少しの知識を入れておかないと、開けてがっかりしたり、飲めるのに不安で捨ててしまう方も。
本記事では、100本以上のシャンパンやスパークリングワインを飲んできた筆者が、実体験を交えながら、味や香り・泡の変化からわかる劣化サインと、安心して楽しむための見分け方を解説します。
この記事を読めば、開けるタイミングの目安がわかり、安心して楽しめるはずです。
古いシャンパンやスパークリングワインは飲める?

実は、シャンパンやスパークリングワインはアルコール度数が高いため(一般的に12%前後)、未開封であれば腐るという概念がありません。そのため、国際的な食品規格(CODEX)や日本の食品表示法でも、アルコール分10度以上の飲料には賞味期限の表示が不要とされています。
ただし、保存状態によって味わいや香りが大きく変化(=劣化)してしまうことはあります。ここでは「古い=飲めない」とは限らない理由と、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
※一部アルコール度数10%未満のスパークリングワインがあります。お手元にあるボトルのアルコール度数を確認しましょう。
「古いけど飲める?」の答えは、開けてみないと分からない

結論から言うと、古いシャンパンやスパークリングワインが飲めるかどうかは、開けてみないと分かりません。なぜなら、未開封のワインには「腐る」という概念がなく、最終的な品質はどのように保存されていたか、その保存環境で左右するからです。
適切な温度と湿度で保管されていれば、5年、10年経っていても美味しく飲めるケースもあります。一方で、直射日光や高温下に置かれていた場合は、香りや味が劣化してしまっていることも。
つまり、「どう保管されていたか」が鍵。開けて、香りや泡立ちを確かめてみることこそが、いちばん確実な判断方法です。
次の章では、その“劣化サイン”を具体的に見ていきましょう。次の章では、「腐る」と「劣化」の違いを整理しながら、その見分け方を紹介します。
腐る?それとも劣化?違いを知ろう

「腐る」と「劣化」は似て非なるもの。食品が腐るのは細菌の繁殖によるもので、健康被害を及ぼす可能性がありますが、アルコール飲料であるシャンパンやスパークリングワインの場合、腐敗菌が繁殖できないため“腐る”ことは基本的にありません。
一方の“劣化”は、酸化や光・熱などの影響で香りや味わいが落ちる現象のこと。人体に害はないものの、香味が変化したり、泡が弱まったりと、美味しさや楽しさが軽減することを意味しています。
つまり、古いシャンパンが飲めるかどうかは“劣化具合”で判断するのが正解。では、一般消費者として劣化具合はどうすれば分かるのでしょうか。次はその劣化サインについて見ていきましょう。
劣化サインの見分け方|味・香り・泡でチェック

「古いけど飲めるかも」と思って開けたとき、どんな変化があれば“劣化”と判断すべきか。ここでは、初心者でもわかるシャンパン・スパークリングワインの劣化サインを、見た目・香り・味・泡の4つの観点から紹介します。
劣化を見分けるコツは、“香りや見た目(泡)”。特に香りに不快感がある場合、飲み進めるのは難しいはずです。また、“劣化=飲めない”ではありません。多少の劣化があっても、美味しく楽しめるケースは十分にあります。
見た目でわかるサイン(泡が立たない・液漏れ)

見た目で一番分かりやすいのは、泡が立たないこと。スパークリングワインの中には泡が荒く立ち方がもともと弱いものもありますが、シャンパンは瓶内の気圧が約6気圧あり、細かく繊細な泡が連なって立ち上がるのが特徴です。
にもかかわらず、グラスに注いでも細かい泡がほとんど立たず、表面が静かなままなら、瓶内のガスが抜けてしまっている可能性が高いです。泡が見えない、または注いだ瞬間だけ立ってすぐ消える場合は、劣化のサインと考えましょう。
ただし、“泡立たない=飲めない”ではありません。泡が弱くても美味しい場合もあります。(※安価なスパークリングワインの中にはもともと泡立ちが弱いものが多々あります。)
この泡立ちが弱まっているシャンパン、実はけっこう多いんですよね。筆者も何度も経験があります。セール品などで「安い!」と思って購入して開けると、このパターンだったり…。
もうひとつ気をつけたいのが液漏れ。コルクや瓶の口がベタついていたり、ワイヤーキャップの下に乾いた跡がある場合は注意。高温環境で内部の気圧が上がり、わずかなすき間から中身がにじみ出てしまうことがあります。
液漏れがあるということは酸素に触れている可能性が高く、風味の劣化は避けられません。ただし、シャンパンのコルクは針金(ミュズレ)でしっかり固定されているため、コルク自体が飛び出すことはほとんどありません。
また、これまでシャンパンやスパークリングワインを100本以上飲んできていますが、この劣化(液漏れ)にはこれまで出会ったことがないので、まずないと考えましょう。それでも液漏れ跡があれば、炭酸ガス抜けや香味変化の劣化は免れません。
香りでわかるサイン(異臭・不快臭)

劣化の中でも最も分かりやすく、そして飲めなくなる一番の原因が「香りの不快感」です。筆者もこれまで数多くのシャンパンを飲んできましたが、その中で一度だけ、強烈な不快臭に出会いました。
まず、コルクを開けた瞬間に「あれ?」と感じたら要注意。さらに、グラスに注いで時間が経っても同じように「あれ?」と続いたら、その時点で劣化の可能性が高いです。
※中には、グラスに注ぎ空気と触れることで不快臭(特にゆで卵や硫黄臭)が消えるケースもあります(筆者経験あり)。
カビ臭、湿った段ボールのような臭い、蒸れたような臭い、獣っぽい臭いなど、「飲む気がしない」と感じる香りがあれば、たとえ腐っていなくてもその時点でアウトです。体に害はなくても、香りが不快すぎると美味しさは完全に失われるんですよね。
筆者が体験したのは、まさにこの“不快臭”。一言でいうと、馬小屋にあるお手洗いのような臭いでした。蒸れたような臭いや獣っぽい臭いという表現もぴったりで…とにかく強烈でした。一生忘れられません。
知識として「腐敗の概念はない」と理解していたのと、沈殿物もなかったため飲めると判断し、実験も兼ねて飲み進めようとしたのですが...。結果は、アウト。美味しいと感じるどころか、終始不快で飲み進められず、破棄に至りました。(内心、「セール品だったけど高かったのに…」とがっかり。)
これまでシャンパンを残したことは一度もありませんが、この1本だけは無理でした。ただし、体に影響はありませんでした。
硫黄やゆで卵のような香りがすることもありますが、これは一時的に消える場合もあります。それでも、“飲みたい気分にならない臭い”なら諦めも大事。というより、恐らく飲めません。
不快な香りのあるシャンパンは、腐っていなくてもすでに"美味しさ"が失われているんですよね。
味でわかるサイン(濃すぎる)

味で分かる劣化サインは、ずばり「濃すぎる」と感じること。これは初心者でも分かりやすいポイントです。
劣化が進んだシャンパンやスパークリングワインは、酸化や過熟成によって風味が凝縮しすぎ、まるで濃い白ワインのような味わいになります。爽やかさやキレがなく、飲み進めるほど「重たい」「飲みづらい」と感じるのが特徴。
筆者の経験上、香りに不快感がなくても、この“濃すぎる感覚”があると途中でギブアップする可能性が高いです。美味しく飲み進められません。やはり爽やかさやキレって重要なんですよね。
炭酸が弱まっている場合に特に起きやすく、いわゆる“シャンパンらしい軽やかさ”が消えてしまっている状態です。ただし、これはあくまで味の劣化であり、好みによっては美味しいと感じる場合もあります。
泡の状態でわかるサイン(ガス抜け・発泡の弱さ)

泡の勢いは、発泡性ワインであるシャンパンやスパークリングワインの魅力。グラスに注いでも泡立ちがほとんど見られない場合や、口当たりが平坦に感じる場合は、瓶内のガス圧が抜けてしまっている可能性があります。
ただし、少し泡が弱い程度であれば問題ありません。シャンパンのコルクは微量ながら空気を通すため、どんなに適切な環境で保管していても、長期になると自然に泡が穏やかになります。つまり、「炭酸が抜けた=飲めない」とは限りません。
もちろん、“泡がないシャンパンは飲みたくない!”という好みはあると思います。ですが、泡が弱くても味わいが整っていて美味しいと感じるなら、それはまだ十分に「飲める」状態です。
結局のところ、一番の判断基準は“飲んでみて楽しめるかどうか”。それが、シャンパンやスパークリングワインが“まだ飲める”かどうかを見分ける何より確実なサインです。
なぜ劣化するの?原因と防ぐコツ

ここまで見てきたように、シャンパンやスパークリングワインの劣化は、時間の経過や環境によって進む“品質変化”です。原因の多くは、“時間経過”と“保存環境”。温度や光、乾燥といった外的要因が、ボトル内部に少しずつ影響を与えていきます。
とくに、暑い→寒いを繰り返す場所や、日光や照明が当たる場所に置いておくと、香味が変化していきます。また、長期保存によっても酸化が進み、炭酸ガスが抜けてしまうこともあります。
つまり、「古くなる=腐る」ではなく、「古くなる=変わる」ということ。保存環境や時間経過によって少しずつ香味が変わり、品質が劣化するリスクがあります(例えば、開けたら炭酸がほとんどないなど)。
この“劣化”を防ぐには、セラーがない場合は短期保存に留めることと、保存環境を整えるのがいちばんの近道です。💡理想の温度・湿度・置き方など、具体的な方法はこちらで詳しく紹介しています👇
シャンパンの保存、どうしてる?冷蔵庫・常温・縦横の正しい選び方をやさしく解説
購入時点で既に劣化している!?ショップ事情

実は、シャンパンやスパークリングワインの“劣化”は、自宅保存だけでなく、購入時点で劣化していることもあります。とくに、店頭で長期間常温陳列されているボトルや、セール品・在庫処分として値下げされているものは、劣化している可能性があるんですよね。
筆者も経験上、相場より安くて「すごく安い!」と思って即買いし、開けてみたら泡がほとんど立たない…ということが何度もあります。とはいえ、これは「ダメなシャンパン」というわけではありません。
劣化=腐る・飲めないではないため、多少泡が弱くても美味しく飲めるものはたくさんあります。実際、筆者もそれを理解した上で、セール品をあえて選ぶこともあります。シャンパンは、多少泡が弱まっても味わいがしっかりしていることが多いんですよね。
購入したシャンパンやスパークリングワインが劣化しているかどうかは、開けてみないと分からないのが現実。だからこそ、身内や仲間内で楽しむボトルなら、多少の劣化は想定内とするのがおすすめ。
ただし、絶対に失敗したくないプレゼントシーン(上司への贈り物や目上の方へのお礼品など)では、注意が必要です。ギフトシーンで確実に外したくない場合は、保存環境が整ったショップや、専門のワイン通販を選ぶのが安心です。
筆者のおすすめは、エノテカ。多少高くはなりますが、品質管理・配送・ラッピングまで全て安心感があります。実際に筆者も“失敗できない場面”ではエノテカを利用しています。
▶ なぜエノテカのワインは高い?価格差の実例とギフトで選ばれる理由【ラッピング画像あり】
5年・10年前の古いボトル、飲める?よくある質問まとめ

ここまで読んできて、「じゃあ、古いシャンパンやスパークリングワインって結局どうなの?」と思った方も多いはず。この章では、実際によく聞かれる質問をQ&A形式でまとめました。
5年・10年と時間が経ったボトルを前にしたときの判断基準を、筆者の実体験も交えて紹介します。
Q1. 結局、開けてみないと分からないの?

はい、その通りです。シャンパンやスパークリングワインは、外見だけでは中身の状態を判断できません。ラベルがきれいでも、内部では炭酸が抜けていたり、香りが落ちていることもあります。
逆に、セラー保管で5年以上経っているのに、開けてみたら驚くほど美味しかったというケースもありました。また、約25年常温で保管していたドンペリを開けたら、「飲めた」(美味しいではない)ケースも。
つまり、「古い=飲めない」ではなく、「開けてみないと分からない」のが正解です。不安なときは、グラスに少しだけ注いで香りと味を確認してみましょう。
腐敗のようなリスクは基本的にないはずですが、不快な臭いが強い場合は無理に飲まないことがポイントです。
Q2. 飲めるかどうかのチェックポイントは?

開けたあとに確認すべきは、この2点です。
1. 香り:不快臭があるかどうか。
2. 大量の沈殿物:グラスに注いで際に大量の沈殿物がみられる場合いは要注意。何らかの菌の繁殖や予期せぬ劣化、初期不良の可能性があります。この場合は飲まない方が安心です。
この2つがなければ、多少劣化していても飲める範囲である可能性が高いです。泡がほとんどないケースもありますが、シャンパンの場合はワインとして楽しめる可能性もあります。
Q3. 劣化を防ぐ保存方法はあるの?

はい、あります。ただし、セラーがない場合は、長期保存になるほどリスクは高まるため、短期保存に留めは早めに飲むが基本です。
家庭における詳しい保存方法や置き方のコツは、こちらの記事で解説しています👇
👉シャンパンの保存、どうしてる?冷蔵庫・常温・縦横の正しい選び方をやさしく解説
Q4. 5年前・10年前のボトルって本当に飲めることある?

あります!筆者自身、セラーで5年以上保管されていた、シャンパン(ヴーヴ・クリコ イエローラベル)を飲んだことがあるんですが、驚くほどまろやかで美味しかったんですよね。忘れられない美味しさでした。
また、知人で約25年常温で保管した高級シャンパンを開けたら飲めたケースもあります。劣化はしていた(泡はほとんどなかった)ようですが、白ワインとして「飲めた」とのこと。
この場合、注意が必要なのが「美味しかった」ではなく「飲めた」という表現だったということ。よって、「古い=全部ダメ」ではなく、保存環境によっては、美味しくなっているケースもあるのです。
もし古いボトルを見つけたら、「もうダメかも…」と捨てる前に、ぜひ一度グラスに注いで、香りと味を確かめてみてください。
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20年常温で保管されていたシャンパン、飲めた?
これらのように、“古い”というだけでは飲めるかどうかの判断ができません。まずは開けてみましょう!あなたの手元のボトルも、もしかしたら美味しく飲めるかもしれません。
まとめ|古いシャンパンは“腐る”ではなく“変わる”

古いシャンパンやスパークリングワインは、アルコール度数10%以上あれば、基本的に腐ることはありません。ただし、保存環境や時間の経過によって、香りや味、泡の状態が少しずつ変化(劣化)していきます。
大切なのは、「古い=飲めない」ではなく「古い=変化している」という考え方。不快な臭いや明らかな液漏れ、大量の沈殿物等がなければ、劣化していても楽しめる場合もあります。
とはいえ、プレゼントや特別な日に失敗したくない場合は、保存環境の良いショップで購入するのが安心です。ご家庭での保管や途中保存の方法も、以下記事で詳しく紹介しています👇
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古いボトルを開けるのは、ちょっとした冒険のようなもの。まずは思いきって開けてみましょう。もし楽しめたら、それはきっと最高のご褒美です!

Yua.|全日本ソムリエ連盟認定ソムリエ・シャンパーニュ委員会公式MOOC修了
最初はワインが苦手でしたが、ドンペリをギフトに選んだことをきっかけにシャンパンやスパークリングワインの魅力に気づき、これまで100本以上を試飲。
実体験をもとに、初心者にも寄り添った「シャンパン・スパークリングワイン選びをもっと楽に!」をテーマに発信しています。
「トキメキを感じられる」「寄り添ってくれる」「場がパッと明るく陽気になる」など、感情やイメージで選べるシャンパン選びも提案。ギフトや自分へのご褒美にぴったりの1本が見つかるサイトを目指しています。












