
「シャンパンって、縦置きと横置きどっちが正しいの?」頂いたシャンパンやスパークリングワイン、自分で購入した一本を大切に保管したいと思うほど、ふと気になりますよね。
実は、理想的な“正しい保存方法”と、“家庭でできる一時的な正しい保存方法”は異なる場合もあります。セラーがない家庭の方が多く、理想論を追うと逆にストレスを感じてしまうことも。
この記事では、これまでに100本以上のシャンパンやスパークリングワインを家庭で開けてきた筆者が、専門的な理想論ではなく、家庭でできる現実的な保存の向きについてやさしく解説します。
この記事を読めば、短期間・長期間での違いや、冷蔵庫・常温での置き方のコツも分かるはず。ぜひ参考にしてみてくださいね。
結論:縦置き・横置きどちらでもOK!大切なのは“環境”

シャンパンやスパークリングワインの保存向きについては、「どちらが正しいのか」専門家の間でも見解が分かれています。シャンパーニュ委員会は「縦置きでも横置きでも問題ない」と公式に述べている一方で、ドンペリのような高級キュヴェでは「横置き保存」を推奨しているブランドもあります。
これでは、消費者としてはとても混乱しますよね。理論上はどちらでも劣化はしないとされていますが、実際の環境(温度・湿度・光・振動など)が一定でなければ、どんな向きでも劣化リスクは生じます。
筆者自身、この後詳しく記載しますが、常温+縦置きで販売されていたシャンパンを購入し、開けたら泡がほとんどなかったという経験もあります。これは、理論上は縦置きでも湿度でコルクが守られるはずでも、実際の販売・保管環境では温度変化や乾燥によってコルクがわずかに空気を通してしまうことを示しています。
そのため、一般家庭では「どちらが正しいか」を気にするよりも、温度変化が少なく、直射日光や振動のない場所を選ぶことのほうが大切。短期(数日~1か月以内)の保管であれば、縦置きでも横置きでも品質に大きな違いはありません。
つまり、短期保存においては「縦置き・横置き」どちらでもOK。“置き方”よりも、“環境”を整えることを意識しましょう。
なぜ、横置き保存が理想とされてきたの?

正直に言うと、筆者もずっと「シャンパンは横置きが正しい」と思っていました。なぜなら、ドンペリ(Dom Pérignon)のような高級キュヴェでも「横置き保存」を推奨しているからです。
実際、ドンペリの公式サイトでは、
ドン ペリニヨン ヴィンテージは水平に寝かせて保存します。ワインがコルクに接することで、乾燥を防ぎ、発泡性を長く保つことができます。
ドンペリニヨンの保存方法
と明記されています。
この「横置きが良い」とされてきた背景には、コルクの乾燥を防ぐという考え方があります。横に寝かせることで液体がコルクに常に触れ、湿度が保たれるため、外気(酸素)の侵入を防ぎ、酸化(劣化)を抑える(発泡性を保つ)ことができると考えられてきました。
特にスパークリングワインは内部に炭酸ガスがあるため、コルクが乾燥して収縮すると、酸素が入り込んだりガスが抜けたりするリスクが高いのです。
ただし近年は、この「横置き=正しい」という説にも変化が出ています。2018年には、世界最大のコルクメーカーであるAmorim社が、「縦置きでもコルクは乾燥しない」と発表しました。 ボトル内の空気層(ヘッドスペース)は湿度がほぼ100%に保たれており、液体がコルクに触れていなくても十分に保湿される、というものです。

さらに、シャンパーニュ委員会(Comité Champagne)の公式講座においても、「ボトルは立てても寝かせても保管できる。置き方でワインが劣化することはない」とされていました。 つまり、置き方そのものが問題ではないという立場です。
一方で、こうした見解はあくまで「温度・湿度が安定した理想環境」が前提となっています。実際の店頭販売や家庭環境では、冷暖房による温度変化や乾燥、照明の熱、振動などが加わり、理論どおりの状態を保つのは難しいのが現実なんですよね。

筆者自身、常温で縦置き販売されていたシャンパンやスパークリングワインを購入し、開けた瞬間に泡がほとんど抜けていたという経験が何度もあります。理論上は縦置きでも湿度でコルクが保たれるはずですが、現実の環境ではコルクがわずかに空気やガスを通してしまった可能性が高いと感じました。
つまり、「横置き保存」は間違いではないんですよね。ただし、それは理想的な環境(セラーなど)が整っている場合に限るということ。横置きかどううかよりも“環境”を整えることが大切です。
クイック判定:期間と環境で置き方を選ぼう

保存の判断はとてもシンプル。次の3つを目安に考えればOKです。
- 短期保存(〜1ヶ月以内): 縦置きでも横置きでもOK。温度変化や直射日光を避けることが最優先。
- 長期保存(1ヶ月以上〜): ワインセラーなど、温度と湿度が安定した環境で横置き保存がおすすめ。
- 高温多湿・寒暖差のある場所: 縦・横どちらでも劣化リスクが高いため、避けるのがベスト。
つまり、家庭での保存では「置ける場所に合わせて縦・横を選ぶ」が正解。横置きか縦置きかにこだわるよりも、短期保管に留めること、長期ならできるだけ良い環境での保管を意識しましょう。
よくある質問Q&A

シャンパンやスパークリングワインの保存については、情報も意見もさまざま。「結局どうすればいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、筆者自身が試してきた経験や、公式見解を踏まえて、特に質問の多いポイントをQ&A形式でまとめました。これを読めば、あなたの家庭環境に合わせた“最適な置き方”がすぐに判断できるはずです。
Q1. 結局、家庭では縦置きと横置きどちらがいいの?

A. 開封前の1ヶ月以内の短期保存なら、縦置きでも横置きでもOK。置く場所に合わせて選びましょう。
長期保管の場合、筆者が推奨するのは温度と湿度が安定したセラー+横置きです。セラーがない場合は、温度変化の少ない涼しく薄暗い場所(床下収納庫など)を選びましょう。
なお、冷蔵庫での長期保管はNGです。
✅ シャンパン、冷蔵庫に入れっぱなし保存はOK?保存期間とNG理由を解説
Q2. 冷蔵庫で横置き保存しても大丈夫?

A. 一時的(数日〜1週間程度)ならOKですが、長期はNG。冷蔵庫は乾燥が強く、コルクの縮みや匂い移りのリスクがあります。
詳しくは
冷蔵庫での保存はOK?NG?
で詳しく解説しています。
Q3. セラーがない場合はどうすればいい?

A. ワインセラーがない場合は、暗く温度変化の少ない場所が現実的。床下収納庫や押し入れなど、直射日光や家電の熱を避けられる場所を選びましょう。
長期で保管したい場合は、ワインセラーの導入がおすすめ。
ワインセラー購入レポ!後悔しないワインセラーの選び方&おすすめ機種
も参考にしてみてください。
Q4. ドンペリや高級シャンパンはどうすればいい?

A. ドンペリは、横置き保存が公式サイトでも明記されています。筆者の経験でも、長期保存はセラー+横置きがおすすめ。
ただし、開ける予定が近い(数週間以内)なら、縦置きでも横置きでも問題なし。高温多湿を避け、できるだけ落ち着いた環境で保管しましょう。
まとめ|縦置き・横置き、どちらが正解?

結論として、「どちらも正解」ですが、縦置き・横置きよりも「期間」と「どんな環境で保管するか」が大切です。
短期なら縦置きでも横置きでも問題なく、長期で品質を保ちたいならセラーでの横置き保存がおすすめ。つまり、「環境」と「期間」に合わせて柔軟に選ぶのが、いちばん現実的なんですよね。
筆者自身もこれまで数多くのシャンパンを保存してきましたが、家庭環境で“完璧な条件”を維持するのはやはり難しいと感じます。一方で、発泡性ワインを購入したのに、開けたら泡が抜けていた経験は、やっぱり少し切ないもの。
だからこそ、まずはできる範囲で「直射日光・温度変化・極端な乾燥を避ける」ことを意識しましょう。
そして、「もっと理想的な保存環境を整えたい」「開けた後のシャンパンも美味しく保ちたい」という方は、次の関連記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事が、あなたの大切な一本を、より美味しく楽しむヒントになりますように。
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Yua.|全日本ソムリエ連盟認定ソムリエ・シャンパーニュ委員会公式MOOC修了
最初はワインが苦手でしたが、ドンペリをギフトに選んだことをきっかけにシャンパンやスパークリングワインの魅力に気づき、これまで100本以上を試飲。
実体験をもとに、初心者にも寄り添った「シャンパン・スパークリングワイン選びをもっと楽に!」をテーマに発信しています。
「トキメキを感じられる」「寄り添ってくれる」「場がパッと明るく陽気になる」など、感情やイメージで選べるシャンパン選びも提案。ギフトや自分へのご褒美にぴったりの1本が見つかるサイトを目指しています。












