
結婚祝いやお歳暮などのギフトでもらったシャンパンやスパークリングワイン。なかなか開ける機会がなく、冷蔵庫や棚に眠らせたまま…という方も多いのではないでしょうか。
「賞味期限って大丈夫?」「賞味期限はないって本当?」「もう何年も経っているけど飲んでいいの?」と不安になり、検索している方も少なくありません。
実はシャンパンやスパークリングワインの賞味期限はとてもシンプル。ただ、知らないと不安に駆られて損をしてしまうことも…。開ける前から心配になって捨ててしまったり、飲んだあとに「泡がない」などと不安になって捨ててしまうのはもったいないですよね。
この記事では、長期保存されたシャンパンや劣化したシャンパンを実際に飲んだ経験のある筆者が、未開封・開封後の保存目安や劣化のサイン、美味しく飲むためのコツを体験談を交えて解説します。
読み終える頃には「いつ飲むべきか」「まだ飲めるか」が自分で判断できるようになりますよ。
※この記事では、ワインセラーなどの環境がない一般家庭での冷蔵・常温保存を前提に解説しています。
結論|シャンパン・スパークリングワインに賞味期限はない

シャンパンやスパークリングワインには、牛乳やジュースのような「賞味期限」表示はありません。これは、酒類(アルコール度数10%以上)は食品表示法やEUワイン規定で賞味期限表示義務の対象外とされているためです。
さらに、ワインは熟成や保存環境によって風味が変化する農産物として扱われており、明確な賞味期限の設定が難しい飲み物なんですよね。
次の章で、未開封・開封後の違いについて具体的に解説していきます。
未開封と開封後の違い

シャンパンやスパークリングワインは、未開封と開封後で状態の変化が大きく異なります。まずは、それぞれどのくらい持つのか、そしてどんな変化が起きるのかを具体的に見ていきましょう。
未開封ボトルはどのくらいもつ?

未開封であれば、適切な保存で長期間品質を保つことができます。保存状態が良ければ、むしろ味わいが深まり美味しくなることも..。
シャンパンにもよりますが、1~10年は美味しく楽しめる場合があります。筆者もセラーで約5年間寝かしていた、「ヴーヴ・クリコ イエローラベル」というシャンパンを飲んだのですが、まろやかになりめちゃくちゃ美味しかったという経験があります。
また、後程体験談で紹介しますが、約25年保存したドンペリが、劣化していたものの飲めたというケースもあります。
適切な保存とは?
直射日光を避け、温度変化の少ない(10-15℃の一定の温度)涼しい場所で横に寝かせて保管するのが理想。日本の環境下ではセラーがないと実現が難しいです。冷蔵庫は振動や温度変化が多いため長期保存には不向きです。
詳しい保存方法は、シャンパン、自宅での保存・保管方法!で解説しています。
適切な保管環境がない場合はいつ飲むべき?

ワインセラーや冷暗所がない場合は、できるだけ早めに飲むのがおすすめです。特に真夏は室温が高くなりやすいため、一時的に冷蔵庫で保管して早めに開けるのが鉄則。
直射日光や温度変化が多い場所(キッチンや窓際)に置いておくと、数週間〜数ヶ月で香味変化し泡立ちが落ちてしまうなど、劣化が進みやすくなります。
「特別な日にとっておこう」と思う場合も、保存が不安なら早めに開けてしまったほうが実はお得。フレッシュなうちに楽しめるので、断然美味しく飲めます。
開封後は何日以内に飲むべき?

開封後は酸化が進みやすいため、シャンパンストッパー(発泡性ワイン専用、途中保存用の蓋)を利用しない場合はなるべく早めに飲み切るのがおすすめ。
シャンパンストッパーを使えば冷蔵庫にいれて2~3日は持ちますが、ストッパーを利用しない場合は翌日以降は泡が弱くなり、徐々に香味が落ちます。
実体験|長期保存でも美味しかったシャンパンの話

知人宅のワインセラーで約5年間寝かせたスタンダード(ノンヴィンテージ)のシャンパンを飲んだことがあります。銘柄は、ヴーヴ・クリコという有名なシャンパン。
これがもう、驚くほど美味しかったんです。泡が弱っている印象もなく、香りも豊か。ほどよい熟成感とまろやかさがあり、とにかく美味しくて感動しました。
この体験から、適切な保存環境下であれば「長期保存=悪いこと」ではないと実感しています。
劣化のサインと見分け方

シャンパンやスパークリングワインは、保存状態が悪いと徐々に劣化してしまいます。見た目や香りで次のような変化があるのが特徴。ただし、”劣化している=飲めない”ではないんですよね。”劣化している=飲む気が失せる”ものはあります。
- 泡が極端に弱い、または全く出ない:炭酸ガスが抜けている可能性が高い。
- 色が濃すぎる:黄金色から茶色っぽく変化している場合は過度に熟成が進んでいる可能性も。
- 香りが不快:不快な臭いがする、時間を置いても消えない場合は劣化の可能性大。
- 味が濃すぎる:熟成ではなく酸化が進みすぎた(過熟成)状態かもしれません。
劣化のサインで、最も飲めなくなるは「不快な臭い」。これが出現すると、経験上飲む気が失せます。不快臭がすると、飲めたとしても破棄という選択が多くなります。
実体験|劣化したシャンパンに出会った話
筆者も、劣化してしまったシャンパンに当たったことがあるんですよね。多少の劣化(少し泡が弱まる、味わいが変わるなど)は誰もが経験することですが、ここで紹介する2件はかなり衝撃的でした。
まさかのシャンパンが獣臭い?トイレ臭?

嘘のような本当の話です。あるシャンパンを開けた瞬間、獣臭というかトイレの臭いというか…汗が蒸れたような驚くほどの不快臭が立ち上りました。しばらく置いても消えず、コルクは腐っている様子はなし。
「せっかくだから…」と頑張って飲み進めましたが、やはり無理でした。(健康被害はなかったです。)保存環境というよりは初期不良の可能性が高いと思いますが、不快臭があると飲む気は完全に失せます。
初期不良の場合は、ショップによっては交換してもらえることもあるので、無理に飲まずに相談するのもおすすめです。
泡が少なく、とにかく濃密すぎる

ハーフボトルのシャンパンを大手スーパーで購入。冷蔵ではなく常温棚でしたが、冷蔵ケースの近くだったため、保存環境は極端に暑く劣悪というわけではありませんでした。
いざ開けて注ぐと、泡がとにかく弱い。思わず「あれ?」と疑念を抱きましたね。そして、色は茶色がかった濃い黄金色。味わいも非常に濃密で、最初は「面白いかも」と思いましたが、飲み進めるうちにしつこく感じてしまい、最後は飲む気がなくなりました。
恐らく長期間陳列棚に置かれていたための劣化だと思います。コルクはわずかに空気を通すため、保管期間が長くなるほど泡が弱くなるのは避けられないんですよね。
いずれも飲み進め、健康に害はありませんでしたが、「せっかくの特別な日なのに」と残念な気持ちに..。こうした経験から、開けた時に不快な臭いがする場合や、飲む気が失せる場合は無理して飲まない方が良いと実感しています。いや、実際は「飲みたくても飲めない」というのが本音です。
もし購入直後にこうした状態に出会った場合は、購入店に相談してみるのも一つの手。ショップによっては交換や返金に応じてくれることもあります。
大切なのは「我慢して飲み切ること」ではなく、「気持ちよく楽しむこと」。美味しいと感じる状態で飲むのが、シャンパンやスパークリングワインを楽しむ秘訣です。
いつ開けるのが正解?美味しく飲むタイミング

シャンパンやスパークリングワインは、集荷の時点で熟成のピークを迎えていて、美味しく飲める状態です。一部の赤ワインのように追加で自宅熟成は必要ありません。
よって、ワインセラーなど理想的な環境がない限り、「寝かせておくと美味しくなる」という考え方は成り立ちません。冷蔵庫や常温で長期保管すると、少しずつ劣化が進んでしまいます。
セラーがない場合は、購入から1ヶ月以内を目安に開けるのがおすすめ。すでに長く置いてしまっている場合は、明日より今日開けた方が確実に美味しいです。
「まだ早いかな?」と迷うより、思い切って開ける方が◎。保存に不安があるなら、今こそが一番の“飲み頃”です。
美味しさを保つ保存方法

長く置いてしまう前に美味しく飲むためにも、一般家庭におけるちょっとした保存のコツを押さえておきましょう。ただし、基本は早めに飲むが鉄則です。
- 直射日光を避け、暗い場所で保管する(床下収納庫など)
- 温度変化が少ない場所を選ぶ(窓際・キッチン付近は避ける)
- 夏は冷蔵庫の野菜室、新聞紙にくるみ横置き保管が安心
より詳しい保存条件やNGな保管方法は▶ シャンパンの保存方法まとめで解説しています。
よくある質問(Q&A)

ここでは、シャンパンやスパークリングワインの賞味期限に関してよく寄せられる質問に答えます。何年まで飲めるか、劣化したときの見極め方など、読者が不安に思いやすいポイントを解説します。
何年前まで飲める?

シャンパンやスパークリングワインには明確な賞味期限がないため、適切に保存されていれば数年経っていても飲めます。セラーで約5年間保管されたシャンパンを飲んだことがありますが、とにかく美味しくて驚きました。
長期間保存してしまった場合も、しっかり冷やしてまずは開けてみるのがおすすめです。多少劣化していても飲める可能性があります。
変な味や匂いがしたら?
不快な匂い(トイレ臭・カビ臭など)がする場合は、ほとんどの方が飲み進められないはずです。こういう場合は破棄するのが無難です。
一方、泡が少ないだけなら、劣化していてもワインとして飲める可能性はあります。
筆者の経験では、劣化したシャンパンを飲んでも健康被害はありませんでしたが、美味しく楽しめないと感じたら無理せず破棄してOKです。
詳しい劣化サインはこちらで解説しています。
古酒は危険?
長期熟成されたシャンパン(いわゆる古酒)は、保存環境や状態によって味わいが大きく変わります。ギフトとしてはおすすめしませんが、自宅で試してみたい場合は開けて状態を確認し、香りや味をチェックしてから楽しみましょう。
すでに常温で長期間保管してしまったけど、飲める?
まずは開けて状態を確認してみることをおすすめします。シャンパンやスパークリングワインには賞味期限表示がないため、何年経っていても飲める可能性があります。
実際、知人で約25年常温で保管されていた高級シャンパンを開けた方がいるんですが、なんと「飲めた」とのこと。泡はほぼなくなり、濃密すぎる白ワインのようだったそですが、不快臭はなく「飲めた」そうです。(※美味しいとは言っていませんでしたが...。)
ただし、泡が少なくなり普通のワインのようだったり、色が極端に濃い、味わいがしつこいと感じることがあります。それでも香りが不快で沈殿物が大量発生しているなどなければ、ワインとして楽しめることもあります。
一方で、香りが不快(カビ臭・トイレ臭など)だったり、沈殿物が大量発生している場合は、無理せず処分するのも大切です。
まとめ|賞味期限はなし!まずは開けてみよう!

シャンパンやスパークリングワインには賞味期限はありません。適切に保存されていれば数年後でも飲めますが、保存環境に不安があるなら明日より今日開けるのがおすすめです。
長く置いてしまったボトルも、まずはしっかり冷やして開けてみること。泡が弱くてもワインとして楽しめることがありますし、飲めないほど劣化していれば潔く破棄してOK。
迷っている時間がもったいない!「開けてよかった」と思えるうちに、シャンパンの時間を楽しみましょう。
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Yua.|全日本ソムリエ連盟認定ソムリエ・シャンパーニュ委員会公式MOOC修了
最初はワインが苦手でしたが、ドンペリをギフトに選んだことをきっかけにシャンパンやスパークリングワインの魅力に気づき、これまで100本以上を試飲。
実体験をもとに、初心者にも寄り添った「シャンパン・スパークリングワイン選びをもっと楽に!」をテーマに発信しています。
「トキメキを感じられる」「寄り添ってくれる」「場がパッと明るく陽気になる」など、感情やイメージで選べるシャンパン選びも提案。ギフトや自分へのご褒美にぴったりの1本が見つかるサイトを目指しています。












