シャンパンやスパークリングワインに限らず、大体のワインのボトル裏にラベルに、上記のように『亜硫酸(酸化防止剤)』という記載があります。
ということで、ワインに添加されている『亜硫酸(酸化防止剤)』について今回はまとめておこうと思います。
シャンパンやスパークリングワインに添加されている亜硫酸塩(酸化防止剤)とは!?
fa-lightbulb-oズバリ、『亜硫酸塩(酸化防止剤)』とは、ワイン醸造において安定・安心・安全をより確保するために使われている、食品添加物のこと。「SO2」と記載されたり呼ばれたりもします。
現在のワイン造りにおいては、一部の自然派ワイン(シャンパンやスパークリングワイン含む)を除いて、必須という認識が広がっています。
何のために、『亜硫酸(酸化防止剤)』が添加されるの!?
大まかに言うと『亜硫酸(酸化防止剤)』を添加するのは、下記2つの目的があります。
酸化するのを防ぐため!
シャンパンやスパークリングワインを含むワインが劣化すると、究極の結果として酸っぱくなるのをご存知でしょうか!?それが、過度に酸化した状態。ワインが空気に触れてしまうことで酸化が起こります。いわゆるワインビネガー(酢)はその原理ですよね。
ただ、ワインを飲むという意味では、過度な酸化はNG。もはや、酸っぱいワインなんて楽しく飲めません。
そんな酸化を遅らせ、品質を安定させるためにも、『亜硫酸塩(酸化防止剤)』が添加されています。
ブドウの殺菌をするため!
ブドウは自然と共に実る果実。そうなると、前提として有害となる微生物や雑菌が付着していることが考えられます。そんなブドウを殺菌し問題なく発酵させるために、『亜硫酸(酸化防止剤)』が添加されています。
よって、ワイン醸造の初期段階である発酵前の早い内と貯蔵(熟成)の段階で添加されることが多いとされています。
『亜硫酸塩(酸化防止剤)』が添加されないとどうなる!?
『亜硫酸塩(酸化防止剤)』が添加されない(無添加)場合、下記のようなデメリットが生じます。
- ワインの品質安定が難しくなる(酸化や劣化が早まる)
- 発酵上で起こるアセトアルデヒドの影響で不快な臭い(青臭い)が残る
- ブドウに付いている微生物や菌の影響で、異臭などの汚染が発生する可能性がある
ほとんどのシャンパンやスパークリングワインは、亜硫酸が添加されています。添加されていることがスタンダード。
ただ、シャンパンやスパークリングワインを含む、『亜硫酸塩(酸化防止剤)』をあえて添加しない自然派ワインもあります。
そんなシャンパンやスパークリングワインは、上記のデメリットを『亜硫酸塩(酸化防止剤)』ではない別の方法でカバーできるよう工夫して造られています。
>>『亜硫酸塩(酸化防止剤)』が無添加のシャンパンやスパークリングワイン!
ワインの『亜硫酸塩(酸化防止剤)』でアレルギー!?頭痛!?体に害はないの!?
『亜硫酸塩(酸化防止剤)』は食品添加物。大量に取ってしまうと体に悪影響を及ぼすことから、各国で使用できる上限値が定められています。
ちなみに、日本では食品衛生法で上限値が350mg/kgと決まっており、ワインに使用されているのはその半分以下とのこと。
実際のところ、2000年を超えるヨーロッパでのワイン文化で、亜硫酸の中毒者が出ていないことから、シャンパンやスパークリングワインを含むワインに使われている量であれば、健康上問題ないとされています。
fa-lightbulb-oただ、中には『亜硫酸塩(酸化防止剤)』でアレルギー反応が出てしまう方がいます。
実際にそんな方にお会いしたことがあるのですが、その方は喘息が出てしまいます。なので、多くの人にとって健康上問題ないとされていいても、人によってはアレルギー症状が出てしまう可能性あり。
調べた結果として、アレルギー反応として出やすいのは頭痛・胃の不快感、喘息の悪化などの症状。ただ、頭痛に関しては二日酔いが原因だとも言われており、酸化防止剤が原因と特定されているわけでありません。
いずれにせよ、食品アレルギーのある方、アレルギー体質の方は十分な注意が必要です。
ちょっとでも違和感があれば控えるなどの対応が必要です。酸化防止剤(亜硫酸塩)をなるべく控えたい場合は、酸化防止剤(亜硫酸塩)無添加のワインを選びましょう。
なお、亜硫酸無添加といえど、亜硫酸塩が0というわけではないので注意が必要。ワインの醸造過程で亜硫酸塩(SO2)は自然発生するため、亜硫酸無添加のワインは、亜硫酸が添加されているワインよりは少ないけれど、醸造過程で自然発生した亜硫酸塩は含まれているということになります。
では、そんな酸化防止剤(亜硫酸)無添加のシャンパンやスパークリングワインをまとめておきたいと思います。
『亜硫酸塩(酸化防止剤)』が無添加のシャンパン 、スパークリングワイン!
シャンパンやスパークリングワインにも『亜硫酸塩(酸化防止剤)』を添加しないで造られているものがあり、実際に飲んだものもあるので、いくつか紹介しておこうと思います。
価格としてはシャンパンよりもスパークリングワインの方が安いです。ただ、そもそも酸化防止剤を添加しないというのは醸造する上でハードルが高く、手間がかかります。
よって、シャンパン・スパークリングワイン共に価格は高めになります。
注意!
アレルギー等お持ちの方は、ご自身の責任の上で商品の確認・購入をお願いいたします。造り手の方針や商品自体が変更になるなどの可能性があるため、酸化防止剤(亜流酸塩)無添加かどうか、しっかりと確認しましょう。
マリー・クルタン(フランス)
【価格】1万円台~*価格は変動します。
上記は、マリー・クルタンという生産者が造る、「アレジャンス エクストラ ブリュット ロゼ」というロゼシャンパン。>>アレジャンス エクストラ ブリュット ロゼを見てみる(楽天市場)、(Yahoo!ショッピング)、(amazon)
生産者は女性なんですが、彼女自身が子どもの頃から化学薬品など受け付けない体質だったことから、自然な流れで自然派のシャンパン造りをしているとのこと。
小規模生産者なので生産量は僅かですが、上記のロゼシャンパンは、「亜硫酸塩は無添加」ということで、販売されてます。
なお、この生産者は他にも色々な種類のシャンパンを販売しています。購入する際は亜硫酸無添加と表示があるかどうか、ご自身でしっかり確認しましょう。
>>マリー クルタンのワインを見てみる(楽天市場)、(amazon)、(Yahoo!ショッピング)
ルラージュ・プジョー シャンパーニュ ナチュール(フランス)
亜硫酸(SO2)無添加であり、ドサージュ0(蔗糖が0)のまさに自然派のシャンパン(辛口・白)。生産者ルラージュ・プジョーは、1799年から続く老舗のワイナリーです。
>>ルラージュ・プジョー ナチュールを見てみる(楽天市場)、(Yahoo!ショッピング)
テルモン サンスフル
ギフトボックスを作らず、太陽光発電を導入するなど、サステナブルな活動が評価され、約30年もの間その地位を守ってきたパイパー・エドシックの代わりとして2021年のカンヌ国際映画祭の公式シャンパンに選ばれたたのが「テルモン」。
そんなテルモンから上記商品画像の亜硫酸無添加のシャンパンが販売されています。
>>テルモン サン・スフル(エノテカ オンライン)
ルクレール ブリアン グラン ブラン ヴィンテージ
参加防止剤無添加の高級シャンパン。白ブドウ(シャルドネ種)100%(辛口・白)で造られているヴィンテーシャンパン。
シャンパンで初めて自然派農法ビオディナミを導入したのがこのルクレール・ブリアン。その後、当主が急遽他界しその後引き継いだのが、有名醸造家のエルヴァ・ジェスタン氏。
エルヴァ・ジェスタン氏といえば、有名シャンパンブランド「デュヴァル・ルロワ」の醸造責任者で、トップブランドまで率いた人物。そんな彼が、コンサルタント業を辞めて集大成として継いだのがこのレクレール・ブリアン。
参加防止剤無添加、ドサージュ0(蔗糖なし)という醸造におけるハードルが高い自然派高級シャンパンです。
>>ルクレール・ブリアン グラン ブランを見てみる(楽天市場)、(amazon)、(Yahoo!ショッピング)
酸化防止剤(亜硫酸塩)無添加のスパークリングワイン
キュヴェ・マネキネコ サンスフル(フランス)
【価格】3千円台~*価格は変動します。
フランスのスパークリングワインでクレマンと呼ばれるもの。
この「キュヴェ・マネキネコ」は、ラベルデザインや名前を含め、日本の招き猫と縁があるスパークリングワインとして人気があります。
そんなキュベ・マネキネコにも酸化防止剤無添加のタイプが造られています。それが、緑のマネキネコラベルの「サンスフル」。
これ私実際に飲んだことがあるんですが、美味しくてオススメです。>>キュヴェ・マネキネコ サンスフルを見てみる(楽天市場)、(amazon)、(Yahoo!ショッピング)
ボレット カヴァ ロシニョール ブリュット ナチュラル(スペイン)
亜硫酸無添加のスペインのスパークリングワイン(カヴァ)辛口・白は希少。
本来、スペインのスパークリングワイン(カヴァ)ワンコイン程度から見つかりますが、カヴァの中では高価な部類に当たります。
>>ボレット カヴァ ナチュラルを見てみる(楽天市場)、(Yahoo!ショッピング)
高畠ワイナリー スパークリングワイン(日本)
【価格】1千円台~*価格は変動します。
日本のワイナリーとして有名な高畠ワイナリー(山形県)さんでは、亜硫酸塩無添加のスパークリングワインが造られています。(スパークリングワインに限らず、赤・白ワインなど種類複数販売されています。)
上記は、「マスカット ベリーA」というブドウ品種が使われている赤・スパークリングワイン(やや甘口)です。>>高畠ワイナリー 亜硫酸無添加ワインを見てみる(楽天市場)、(Yahoo!ショッピング)
酸化防止剤(亜流酸)添加ワインと無添加ワイン、美味しさに違いはあるの!?飲み比べてみた!
(画像左:亜硫酸添加 画像右:亜硫酸無添加)
先ほど紹介した「キュヴェ マネキネコ」、亜硫酸添加したものと、亜硫酸無添加のもの両方が販売されています。ということで、実際に飲み比べてみました!
上記画像の左が亜硫酸添加している黒猫ラベルのスタンダードタイプの白・辛口スパークリングワイン。それぞれのスペックは下記の通り。※情報は、購入先の商品情報から収集。
酸化防止剤添加
(黒猫ラベル) |
酸化防止剤無添加
(緑猫ラベル) |
|
生産者 | ドメーヌ・クレマン・クリュール | ドメーヌ・クレマン・クリュール |
酸化防止剤 | 添加 | 無添加 |
ブドウ | ピノ・ブラン60%
ピノ・オーセロワ40% |
ピノ・ブラン60%
ピノ・オーセロワ40% |
使用ブドウの樹齢 | 40年以上の古樹 | 40年以上の古樹 |
瓶内熟成期間 | 18ヶ月以上 | 18ヶ月以上 |
ドサージュ | 3g/L | 3g/L |
甘辛度 | 辛口白 | 辛口白 |
亜硫酸の添加以外、スペックが一緒。ある意味、亜硫酸添加・無添加による美味しさの違いは分かりやすいはずです。
そして、飲み比べの結果がどうだったのかというと・・
亜硫酸無添加の「サンスフル」の方が美味しかった!
ズバリ結論からいうと、美味しさに違いあり。個人的には断然「サンスフル」が美味しかったのです。
そもそも、一緒に飲んだ知人にボトルにアルミホイルをかけてもらって外観から区別できないように飲み比べたんですが、グラスに注いだ時点で色味に若干の違いがありました。
画像だと分かりずらいかもしれませんが、右のスパークリングワインの方が若干オレンジがかっていて色味が濃かったのです。
そして実際に試飲してみると、断然右の方(緑猫ラベルのサンスフルの方が美味しかったんです。雑味がなく、味わいがまとまってとろみがあるような、ブドウが凝縮されている感覚がありましたね。
ただ、普通の黒猫ラベルのキュヴェ・マネキネコも美味しいんですよ。ただ、サンスフル(緑猫ラベル)に比べるとワサワサとした雑味があって薄い感覚がありました。
両スパークリングワインとも、価格差はほとんどないため、飲み比べてみるのも面白く、オススメです!
>>キュヴェ マネキネコを見てみる(楽天市場)、(amazon)、(Yahoo!ショッピング)
以上が「シャンパンやスパークリングワインに添加されている亜硫酸塩について」でした。それでは、また!