先日、パートナーの買い物に同伴をしていると「惜しい・・」、思わずそう吐露してしまうような男性に出会いました。それは、他のセレクトショップとは一線を画す、海外発の有名なセレクトショップでのこと。
思わず「惜しい」そう感じた男性は、そのショップの店員さん。パートナーを接客してくれたのですが、女性である私からすると本来はモテるはずなのに、とにかく惜しい、その一言でした。
そして一番驚いたのは、パートナーはその男性を「モテオヤジ」だと思っていたこと。男性と女性の「モテオヤジ」にギャップがある、そう感じましたね。
その男性はさすが有名セレクトショップの店員さん、目を惹くほどのイケメンオヤジでなかったけれど、とにかくオシャレ上級者。
店員さんご本人曰く、イタリア製のシャツにジャケット、首元にはスカーフ。そして白のパンツに革靴。
それらのアイテムの合わせ方が見事で、まさにルックスだけみたら「モテオヤジ」代表という印象でした。
これで美味しいオシャレなレストランに連れていかれたら、女子は落ちてしまうかもな・・最初はそう思ったのですが・・。
「モテオヤジ」への道のりは険しい、やはり第一印象だけで「モテオヤジ」にはなれないのです。
ファッションに限らず、接客はおしゃべりしながら進みますよね。この店員さんも、おしゃべりが達者でさすがプロ、アパレルの知識は豊富。
生地のことから繊維のこと、ヨーロッパのブランド全般について、ひたすらずっとファッションのウンチクを語り倒していました。
物事を深く追求したいパートナーとしては興味深そうに聞いているものの、女子の私からすると一方的な知識の嵐に一気に引ひてしまったのです。
「モテオヤジ」という入り口から、一気に「生理的に受け付けない」という出口に出てしまいました。
これ実はファッションに限らず、ワインを介しても同じようなことが起きるのです。
「ワイン」も同じ、モテワインオヤジはほんの一握り。
ワインも同じ。ファッション上級者と同じように、ワイン通といわれるワイン好き男性はワインを飲まない男性より断然モテます。ワイン好きで清潔感がある一般的な男性であれば、何もせずとも女子から好印象を抱かれます。
「ワイン私も興味があります。是非教えてください」なんて女子から積極的に声がかかるほど。それは、「ワイン」というもの自体に良いイメージがあるからなんですよね。
それなのに、「モテない」のはなぜか。
それは男のワイン脳と女のワイン脳という記事にもある通り、女性と男性でワインの楽しみ方やワインに求めるものに違いがあり、ワインを通して生まれるコミュニケーションにズレが生じるからです。
男性が楽しむワインの世界を女性に披露した途端、女子は引いてしまう、そんなことが普通に起きるのです。
女子は深く追求しなくて良い、表面的で分かりやすいのが好き。
ワイン通と言われるようなワインに魅せられた男性の多くは、ワインを深く追求していく傾向があります。
男性の性(サガ)とも言えるかもしれません。その過程で知識を多く蓄え、どんどんワインにハマります。
そんな男性の多くが一度は辿り着くのがフランスのブルゴーニュ地方の赤ワインやボルドーの赤ワインでしょうか。
これらのワイン、男性からすると村や畑、格付けなども楽しいようで、よく話をしているのを聞きますが、多くの女子からするとそういった話は「退屈」なのです。
もちろん全ての女性が退屈なわけではなく、男性と同じようなハマり方をする女性もいらっしゃいますが、それはごく限られたワイン通の女性のみ。
大半の「ワインに興味があります。教えてください。」という女性は、そんなワインの知識を聞いても「つまらない」「退屈」「早く話が終わってほしい」と感じます。
では、女性はどうワインを楽しみたいのかというと、深く追求するのではなくシンプルに、感覚的に楽しみたいのです。
奥深さが最大の魅力であるワインよりも、一口目で「わあ、美味しい!」とときめいてしまうようなワインが好きなのです。
実例を踏まえて見ていくことにしましょう。
モテワインオヤジが選ぶワインとモテないワインオヤジが選ぶワイン。
モテワインオヤジは、ワインを選ぶセンスがあります。センスがあるというのはどういうことかというと、自分と相手はワインに求めるものが違うと分かった上で、相手がどんなワインを求めているかを察知することが出来るということ。
一方でモテないワインオヤジがやりがちなのが、有名で高価なワインや自分が好きなワインを用意してしまうこと。
確かに有名な高級ワインを飲めるのであれば女子は喜びます。「飲まない?」と誘われれば、「是非飲みたいです!」と積極的に参加するでしょう。
なぜ女子が喜んだり誘いに参加するのかというと、高級なものに好奇心があってご馳走していただけるからです。
でも、その高価なワイン、ワインの経験値がさほどない女子が飲んで他のワインとの違いや美味しさが分かるでしょうか。
結果はおのずと見えているはず。きっと、そのワインの良さが分からないまま終わるでしょう。
そうなると、「ありがとうございました」という言葉と共に抱いている思いは「高価なワインはこんなものか」という独断的な感想。
これだと楽しい一時とはならず、記憶に残らないのです。好印象だった相手へのイメージも普通に戻り、楽しい記憶が残らなければ次はないでしょう。
さらに、ここでワインの知識やウンチクを語ってしまう場合は、「生理的に受け付けない」という状況まで女子が引いてしまう可能性があります。
では、モテワインオヤジはどんなワインを選ぶのか。
ワイン初心者の女子と共にワインを飲むのであれば、男性のワイン好きさんであればほとんど選ばないであろう、甘口シャンパンや、ドイツのリースリングの甘口白ワイン、ソーテルヌの貴腐ワインなどを準備します。これぞ、センスで選ぶということ。
ブルゴーニュでもない、ボルドーでもなく、相手が楽しい時間を過ごせるワインを選んできます。もちろん知識はさらりと最低限で、ウンチクや知識を語り続けることもありません。
ワインはアルコール感が強いと思っていた女子が、これらの飲みやすい甘口ワインを飲んでどうなるか。
美味しさが単純で明快なワインに「わあ美味しい!」と一口目で感動します。「え?これがワインなの!?こんなの初めてです!」と目をキラキラさせるでしょう。
そうなるとそのワインを教えてくれた男性をどう見るか、「尊敬」「ステキ」「男らしい」「頼りがいのある」というような好印象の文字が並ぶのです。
さらに、美味しさに驚いた衝撃がずっと記憶に残り、「またこの人と一緒に時間を過ごしたい」と思うようになります。
これぞまさに、モテワインオヤジのなせる業。モテワインオヤジはセンスでワインを選び、次の機会をも生み出すのです。
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