ふと湧いた興味や疑問を実際に検証する実験シリーズ、これまでもやってきましたが、今回はこんな疑問を検証してみることにしました。
fa-lightbulb-o”SO2(酸化防止剤-亜硫酸)無添加”ワイン(自然派ワイン)と添加してあるワイン、実際に違いが分かるのか、美味しさに違いはあるか!?
もちろん、ワインのプロとしてワインを提供する側にある方や、ワインのプロと認識される資格をお持ちの方であれば、自然派ワインの価値や違いが分かるのは当然なのかもしれませんが、ワインを楽しむ一消費者として、その違いが分かるのどうか。そして、あえてSO2無添加のワイン(自然派)を購入するメリットがあるのかどうか、知りたかったのです。
ということで、実際に飲み比べをしてみました!結論として言えるのは、一般消費者でも思った以上に「違いが分かる!」、「美味しさが違う!」ということ。まさに目から鱗(うろこ)。酸化防止剤添加ワイン、無添加ワイン、どちらか一方が格段に旨かったのです。
ということで、分かるようにまとめていこうと思います。
そもそも酸化防止剤、よく目にする亜流酸って何!?添加の目的は!?
まず、ほとんどのワインに添加されている酸化防止剤(亜流酸)とは、下記の通り。人為的に添加するとなれば、食品添加物という捉え方もできます。
亜硫酸(SO2または二酸化硫黄とも表記) は酸化した硫黄(SO2)が水に溶けている状態で、簡単に言ってしまえば形を変えた硫黄です。
ほとんどのワインには、この酸化防止剤(亜流酸塩)が添加されているのですが、それはなぜかというと、酸化を防くため、そして殺菌のためなのです。つまり、ワインの品質を守り、安心・安全・安定の確保のため。
この”酸化防止剤”、以前『”シャンパン”や”スパークリングワイン”に添加されている『亜硫酸塩』って何!?添加する目的は!?』という記事で詳しく記載してますが、添加量は当然規定されていて、体に害のない範囲とされています。ただ、食品添加物に敏感な方や、アレルギーがある方などは、少しの添加でも不快や不調になる可能性は0ではないようで、そんなことを配慮してか、”酸化防止剤無添加ワイン”も複数販売されています。
ただ、実際のところENOTECAさんの『”酸化防止剤 (亜硫酸)って何?その効果”』という記事にもあるように、そもそも亜硫酸は人為的に添加しなくてもアルコール発酵の過程で微量ながら自然発生するのだそうです。亜硫酸の量によって、”添加”の表示要否が決まっていて、ℓあたり10mg以上だと表示が必要ですが、それを下回る場合は不要。そういったワインを含めたものが、”酸化防止剤無添加ワイン”となります。
これらを改めて考えると、亜硫酸無添加の方が手間がかかるのが分かります。酸化防止剤を添加しない分、ワインの品質には気を配る必要があって、手間がかかるはず。その手間をあえて抱えて、生産されるワイン。おのずと期待が高まってしまいます。
実験に使用した、”酸化防止剤添加ワイン”と”無添加ワイン”、2本のワインのスペック!
今回、実験するにあたり用意したのは上記2本、フランスのスパークリングワイン(クレマン)の”キュヴェ・マネキネコ”シリーズ。左の黒猫ラベルのものが”酸化防止剤添加”のもので、右の緑色の猫ラベルのものが”酸化防止剤無添加”のもの。
それぞれのスペックは下記の通り。見て頂くと分かりますが、酸化防止剤以外は違いがないのです。※情報は、購入先の商品情報から収集。
酸化防止剤添加
(黒猫ラベル) |
酸化防止剤無添加
(緑猫ラベル) |
|
生産者 | ドメーヌ・クレマン・クリュール | ドメーヌ・クレマン・クリュール |
酸化防止剤 | 添加 | 無添加 |
ブドウ | ピノ・ブラン60%
ピノ・オーセロワ40% |
ピノ・ブラン60%
ピノ・オーセロワ40% |
使用ブドウの樹齢 | 40年以上の古樹 | 40年以上の古樹 |
瓶内熟成期間 | 18ヶ月以上 | 18ヶ月以上 |
ドサージュ | 3g/L | 3g/L |
甘辛度 | 辛口白 | 辛口白 |
ということで、これら2本を飲み比べてみることにしました!
”酸化防止剤添加ワイン”と”無添加ワイン”の違い!どちらが美味しいの!?
まず、この2本の良いところは外観デザインが”ラベル”デザイン以外がすべて同じこと。よって、ラベル部分を隠してグラスに注ぎ、ボトルからは区別できない状態で、パートナーと共に飲んでみました。
どうやって、ラベルを隠したかというと、適当なタオルがなかったので致しかたなく、自宅にあったアルミホイルで・・。w 見栄えは最悪ですが、隠すという意味では機能しました。
まず、グラスに注いだ際に分かったのですが、色味が若干違うんですよね。写真だとちょっと分かりづらいかもしれませんが、右のグラスに入っているスパークリングワインの方が若干オレンジがかっていて、濃いのです。この辺りから、「おやおや?」となんとなく見分けが付いたような。
そして飲んでみると・・・、パートナーも私も、
となりました。そして、種明かしをすると、下記の通り。やはり、右(色が濃い方)が”酸化防止剤(SO2)無添加”の自然派スパークリングワインで、右が”酸化防止剤添加”のスパークリングワインでした。※下記の写真だと、若干の色味の違いが分かるでしょうか・・。
やはり、”添加”、”無添加”と区別するだけあって、自然派ワインが人気なのも頷けてしまいましたね。具体的に言うと、SO2(酸化防止剤)無添加のワインって、雑味がないという感じ。ギュッとブドウの味がまとまってとろみがあるような、凝縮されている感覚がありました。簡単に一言にすると濃い。それに比べると、亜硫酸(酸化防止剤)が添加されている方は、キレがあって爽快感はあるのですが、ワサワサとした雑味があって若干薄いんですよね。
でもこれって飲み比べしたから分かることであって、酸化防止剤(亜流酸)が添加されている方が美味しくないということではないんです。実際、黒猫ラベルの”キュヴェ・マネキネコ”も大好き。ただ、この2本の場合は、両者に価格差もない(両者とも同ショップ内3千円台で購入、価格差は約10円でした!)、となると次購入する場合は・・、緑猫ラベルの”キュヴェ・マネキネコ サンスフル”になりそうです。w
”キュヴェ・マネキネコ サンスフル”、オススメです!
それでは、また!
飲み比べ実験に使用したワイン!
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